鑑識レコード倶楽部

鑑識レコード倶楽部

著者
マグナス・ミルズ [著]/柴田元幸 [訳]
出版社
アルテスパブリッシング
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784865592528
発売日
2022/04/15
価格
1,870円(税込)

内容紹介

「俱楽部を作るんだよ。レコードをじっくり、
綿密に聴くことだけを目的にした俱楽部を。
いわば鑑識的に、いっさいの邪魔を排して聴くんだ」

ピーター・バラカン
「持ち寄ったレコードを黙って聞き、意見を一切言わない。この極度のオタク行為に潜む意義はあるのか、答えはまだ出ませんが、一気に読んでしまいました」

直枝政広(カーネーション)
「明かされるタイトルだけを頼りに、読みながらプレイリストを作った。音楽の迷路に迷い込む気持ち良さを存分に味わった。答え合わせは後のお楽しみだ」

月曜の夜、パブの小部屋に3枚のレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く──ストイックな倶楽部は順調に育っていくかに見えたが、やがてライバルが出現し、分裂の危機に揺さぶられる……トマス・ピンチョンがデビュー作を賞賛、イギリスならではの乾いたユーモアの名手が送る現代社会の寓話。

作中には60年代以降のロック、ポップスのタイトルが無数に登場するが、ミュージシャンやバンド名はいっさいナシ。そんな意地の悪い小説だが、作者本人が“The Official Forensic Records Society Playlist by Magnus Mills”と題したプレイリストをSpotifyで公開中!
訳者・柴田元幸によるあとがき、注解とマグナス・ミルズの著作ガイドとともにお楽しみ下さい

訳者あとがきより───
「人物の過去も背景も示さず、ほかに何をやっているかも伝えず、ひたすらひとつの営みに携わるさまを、比喩などのレトリックにも頼らず描く。そうやって自主的に素材を貧しくすることを通して、この作家ならではの、オフビートな可笑し味が生まれてくる。無表情で可笑しいことを言ったりすることを英語ではdeadpanと呼ぶが、マグナス・ミルズほどdeadpan humourに長けた書き手もそうザラにいない。」

データ取得日:2024/04/19  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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