伝説の編集者H・テラサキの ショーワの常識

伝説の編集者H・テラサキの ショーワの常識

著者
寺﨑央 [著]
出版社
エンジェルパサー
ISBN
9784990896911
発売日
2016/12/16
価格
1,980円(税込)

内容紹介

寺﨑央(ひさし)氏は「アルツハイマン年代記」と題したエッセイを、雑誌『ソトコト』創刊の1999年7月号から2005年7月号まで全73回、連載した。

本書は、そのうちの30編を抜粋、再録したものである。

「アルツハイマンとは、難儀にしてしようもなく陽気なボケおじさんのことなり」と自称した著者は、亡くなる前にすでにその連載原稿を『テラノ式尻取り年代記』と改題して書籍化する準備を進めていた。内容の確認はもちろん、フォントから紙の指定などデザインの範疇まで決めるべきところを決め、最後まで編集者として取り組んでいたが、2012年12月に死去。遺志を継いだテラ本制作委員会が、追善作の『史上最強の助っ人エディターH・テラサキ傑作選』に続き、テラ本第2作として出版したのが本書である。

本書において、各回、話は次々と転回、飛躍し、「尻取り雑報」として軽妙に言葉をつないで内容が流れていく。しかも、博学のオヤジがものを知らない若者に語って聞かせる〝説教〞スタイルをとっているのも、寺﨑氏独特の手法。

本書は、ある意味で、氏の自伝でもある。寺﨑氏が仕事や趣味を通じて、どんなものに興味を持ち、熱く接し、生涯の大半の、「ショーワ」を生きてきたかがわかるからだ。寺﨑氏ばかりでなく、さまざまなジャンルのマニアックな人たちにとって、どこまでも知識欲を満足させ、趣味の世界を楽しむことのできる時代があったのだ。その点を、この本を手がかりに、むしろいまの若者たちが新鮮に感じて、読み込み、掘り下げていってくれるきっかけとなれば、というのが本書出版の狙いでもある。

データ取得日:2024/04/24