シンプルだからこそ伝わりやすい、初対面の人との「短い英語」

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1回で伝わる 短い英語

『1回で伝わる 短い英語』

著者
mami [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
語学/英米語
ISBN
9784046041586
発売日
2019/01/26
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

シンプルだからこそ伝わりやすい、初対面の人との「短い英語」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

1回で伝わる 短い英語』(mami著、KADOKAWA)の著者は、教科書などでよくみる基本的な英文は、実際の会話には適していないと主張しています。

たとえばよくある文章も、以下のように1語か2語に簡略化したほうが伝わりやすいというのです。

My name is Taro Suzuki.

(私の名前は鈴木太郎です。)

Taro.

(太郎です。)

My favorite food is sushi.

(好きな食べものは寿司です。)

Love sushi.

(寿司が大好きです。)

Excuse me, is anyone sitting here?

(すみません、この席は空いていますか?)

May I?

(いいですか?)

(「はじめに」より)

こんなに短くしてしまうと、失礼なのではないかという気もします。しかし短い英語は、日常会話においてはまったく失礼に当たらず、ネイティブもよく使っているのだそうです。

むしろ教科書で習うような長い英語を使うほうが、まどろっこしい印象を与える可能性があるのだとか。

著者はかつて、ドバイのエミレーツ航空でCAとして働いていたという人物。当然ながら、ネイティブから非ネイティブまで、さまざまな人種の方々と英語で話す機会が多かったわけです。

そのため、英語はきちんとした文法に沿って、きれいな発音で話す必要があると考えていたものの、実際に必要とされるのは正反対の英語だったのだといいます。

非ネイティブの英語話者が6割以上もいると言われる世界では、きちんとした文章で話すよりも、発音や訛りを気にせず、とにかく言いたいことを端的に伝えることができる短い英語が求められたのです。(「はじめに」より)

理由は単純で、そのほうが聞く側も話す側もわかりやすいから。そこで本書では、英語に慣れていない人でも話すきっかけになりやすく、次の3つのシーンで使うことになる「短い英語」をしょうかいしているわけです。

・ 日常会話

・ 海外旅行

・ 接客

(「はじめに」より)

きょうはPart 1「日常の短い英語」内Chapter 1「初対面」のなかから、いくつかを抜き出してみたいと思います。

1語まで短くしましょう

はじめまして。 Nice to meet you.

Hi.

(どうも。)

Nice to meet you.は、初対面の相手に対する一般的な挨拶。とはいえ、必ずしも言わなければならないというわけではないのだそうです。代わりに、Hi.などの普通の挨拶をする場合も多いということ。

なお、Hello.(こんにちは)も、Hiと同様に相手を選ばず使える定番の挨拶。ただし、Hi.とくらべると少しかしこまった印象に。(17~19ページより)

私は20歳です。

I’m twenty years old.

Twenty.

(20歳です。)

「何歳ですか?」と聞かれ、「〜歳です」と返す場合、文を主語からすべて言う必要はなし。こう聞かれたら年齢を答えるということがすでに相手にわかっているので、Twenty.と数を言うだけで意味は伝わるということです。もちろん、Years oldといった言葉も不要。

ビジネスなどフォーマルな場面で使う場合や、きちんとした文にしたいときには、I’m twenty.とすればOK。

2語まで短くしましょう

出身はどちらですか?

Where are you from?

You’re from…?

(あなたの出身って…?)

「どこの出身ですか?」→「出身は…?」と言い換えているということ。疑問文の形にする必要もなく、簡単で言いやすいフレーズ。日常会話ではよく出てくるそうです。

他には、What’s your nationality?(国籍はなんですか?)という表現も。Nationalityは国籍という意味なので、国籍を聞きたいときに使えるフレーズだということです。(23~24ページより)

3語まで短くしましょう

同い年ですね。

We are the same age.

You’re my age.

直訳すると「あなたは私の年齢です」となるので、「同い年」と言う意味に。似た表現であるyour ageを使ってWhen I was your age,~(私があなたの年齢だったときは、~)という言い方も可能。

またMe, too.(私も。)も、いろいろなシーンで使える便利なフレーズ。たとえば同年齢の相手が歳を伝えてきた場合、これひとことで「私も同じ年齢です」という意味になるわけです。(21~22ページより)

ジャズには興味ある?

Are you interested in jazz?

What about jazz?

(ジャズはどう?)

趣味や好きなものの話をしているときは、Are you interested in~?のような長い文にしなくても、What about ~?(~はどうですか?)と聞くだけでも相手に伝わるといいます。

一方、You like jazz?(ジャズは好き?)は、カジュアルに相手の好きなものを聞きたいときによく使われるフレーズ。(25~26ページより)

4語まで短くしましょう

時間があるときなにをしていますか?

What do you do in your free time?

What are your hobbies?

(趣味はなんですか?)

相手と会話を弾ませたいときに使える王道フレーズ。自分が趣味を聞かれたときは、そのままMy hobbies are~と言ったり、I like~などを使って答えてもOK。

同じく、Do you play sports?(スポーツはしますか?)も、趣味の話をするときに使えるフレーズ。AnyをつけてDo you play any sports?とも言えるそうです。(23~24ページより)

英語学習関連書籍は数あれど、「シンプルであること」をここまで突き詰めたものは少ないのではないかと思います。しかも、シンプルだからこそ実用性は抜群。

手元に置いておけば、ビジネスシーンにおいてもなにかと役に立ってくれそうです。

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2019年2月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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