『昭和40年男 〜オリンポスの家族〜』
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『昭和40年男~オリンポスの家族~』 佐川光晴著
[レビュアー] 産経新聞社
昭和40年生まれの山田三男は、体操の元日本代表だが、今は専業主夫で会社勤めの妻、莉乃と2人の娘を支えている。長女の美岬は美人で、新体操の日本代表選手。そんな姉へのコンプレックスから中学生の次女、千春は口をきかなくなった時期も。それを救ったのが、三男がかつて愛読していたマンガ『じゃりン子チエ』だった-。
千春から「昭和40年男はノンキ坊主」といわれながら、三男は仕事や教育、介護、人生の夢など家族を取り巻く問題に誠実に立ち向かう。派手さはないが、「家族小説の名手」で40年生まれの著者が描く家族の絆は温かく、心地いい。(ホーム社・1600円+税)