【気になる!】文庫 『死の花の咲く家』

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【気になる!】文庫 『死の花の咲く家』

[レビュアー] 産経新聞社

 新聞記者の吉村は行きつけの喫茶店店員、宏子から「父が殺される」と相談を受ける。資産家で病魔に侵された父が、遺産の相続者を決めるため、肉親を屋敷に呼び寄せていたが、ある日、相続候補者の一人が殺される(表題作)。

 昭和の優れた短編推理小説を復刻するシリーズの一冊。昭和32年、公募となって初の江戸川乱歩賞を「猫は知っていた」で受賞した著者の30~40年代の8短編と、ショート・ショート4編を収録。病気で寝たきりの生活を経て、作家として活躍した著者の横顔を紹介する編者解説を読めば、作品への興味もさらに増す。(仁木悦子著、山前譲編、光文社文庫・900円+税)

産経新聞
2020年6月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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