考えすぎはNG!毎晩10分間で頭のなかをきれいに掃除する5つのステップ

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考えすぎはNG!毎晩10分間で頭のなかをきれいに掃除する5つのステップ

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

GREAT LIFE 一度しかない人生を最高の人生にする方法』(スコット・アラン 著、 弓場 隆 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は“素晴らしい人生のつくり方を伝授する指南書”なのだそうです。

ここに示されている数々の提案は、ライフコーチである著者が自己啓発の分野で20年以上にわたって学び経験してきたことに基づいたもの。著者はその間、“人生がうまくいく秘訣”を発見することに情熱を注ぎ、人生がうまくいかない原因を究明してきたのだといいます。

それでわかったのは、子供のころに何らかの「設定」をし、大人になってもそれに気づかずに生きている人があまりにも多いということだ。その結果、恐怖や不安、疑念などのネガティブな感情が、目に見えない障害物となって進路を妨害している。だが、シンプルなテクニックを使えば、それらの障害物はすべて取り除くことができる。(「はじめに」より)

ネガティブな感情に支配されてしまうと、いつしかそれらは手に追えない障害物に見えてしまうもの。そのためなかなか越えられなくなってしまうのでしょうが、発想を転換してみれば、それは決して難しいことではないようです。

100の分野に分かれた、合計100項目による構成。どの項目も簡潔にまとめられているので、簡単に読み終えることができるでしょう。ただし単に読むだけではなく、その内容についてよく考え、目的意識を持って行動する必要があるといいます。

なぜなら、なにかを知ることと、それを行動に移すことは別ものだから。

こうした考え方に基づく本書のPART 6「ポジティブな思考とコミュニケーション」のなかから、2つをピックアップしてみることにしましょう。

毎日、頭のなかをきれいに掃除する

よくよく考えてみると、私たちは恨みや憎しみ、心配などのネガティブな思考を、何か月どころか何年もため込んでいるもの。

多くの人が“役に立たない古い記憶”に固執し、同じ問題を何度も考え、ネガティブな思考にとらわれ、みじめな気分になってしまっているわけです。人間は一日に平均5万個の思考をしますが、その大半はネガティブな思考だそう。しかしネガティブな思考をため込むと脳にとって重荷になるため、一日が終わるころには精神的にすっかり疲れてしまうわけです。

だからこそ、毎晩、就寝前に一日を振り返ってネガティブな思考を処分するべき。長い時間だらだらとテレビを見たりネットサーフィンをしたりして過ごすのではなく、脳のなかにたまったゴミを捨てる必要があるのです。

「脳の掃除」をすれば気分がリフレッシュできるので、翌日には新たなスタートを切ることができるはず。逆にいえば、ネガティブな思考に固執したところでなんの利益も得られないわけです。

したがって毎晩、脳の掃除をすれば、翌朝にはポジティブなエネルギーにあふれた状態で目を覚ますことが可能。頭が冴えわたるので、情熱的に一日を過ごし、生産性を飛躍的に高めることができるのです。

そこで著者は、毎晩、10分間で頭のなかを掃除するための5つの秘訣を紹介しています。

① 人生で感謝している5人に想いをはせる

② いつも一緒にいてくれる人たちに感謝をささげる

③ 恨んでいる相手に想いをはせる。その人の長所について考え、励ましの言葉を心の中で贈って、その人に対するネガティブな思考を消し去ろう

④ ネガティブな思考をすべて燃え盛る炎の中に投げ入れている様子を想像する

⑤ このエクササイズは睡眠を改善するのに役立つので、スッキリした気分で生きていくことができる

(129ページより)

どれも簡単なことなので、試してみる価値はありそうです。(128ページより)

考えすぎを防ぐ

暗い思いや悲しい思いがひっきりなしに浮かんできて頭がいっぱいになり、困ってしまった経験はないでしょうか? 著者いわく、それは「考えすぎ」と呼ばれる現象。

当然のことながら、考えすぎは精神衛生上非常によくないことです。しかも周囲の人を遠ざけてしまうため、孤立感に襲われる危険性すらあります。そればかりか脳を混乱させ、悪い決定や未来への不安にもつながりやすいでしょう。

なお、考えすぎてしまう3つの代表的な理由は次のようなものだそうです。

① 長いあいだ問題について考えれば、洞察が深まると思っているから。しかし、考えすぎると、ますます不安と混乱を招くだけである。

自分の力ではどうにもならない問題に直面しているから。しかし、そういう問題をどうにかするためにあがくと、ますます深刻さを増す。

最悪の事態が起こると思い込んでいるから。しかし、そんなふうに思い込んでしまうと、思考がそういう現実を本当につくり出すおそれがある。

(132ページより)

これもまた、的を射た指摘であるといえそう。しかも考えすぎは、生産性を低下させます。集中力を乱しがちであるため、効率的かつ想像的に考えることが困難になり、取るに足らないことを延々と考えてしまうことになるからです。そこで活用したいのが、以下の「考えすぎを防ぐための3つの方法」

自分の思考をコントロールする。不安や心配などのネガティブな思考をするクセがついているなら、考えすぎの傾向を改めよう。

マインドフルネスを実践する。マインドフルネスとは、今この瞬間に集中することである。過去のことを悔やんだり、未来のことを心配したりすると、精神的に疲れるだけだ。

ポジティブな言葉を繰り返す。ポジティブな言葉を声に出して繰り返すことで、心の持ち方を変えることができる。なぜならポジティブな言葉に秘められた知恵を得ると、前向きで明るい気分になれるからだ。

(133ページより)

これらもまた、快適な日々を過ごすために意識しておきたいところ。実践し、習慣化できれば、仕事のパフォーマンスも向上することでしょう。(132ページより)

冒頭でも触れたように、素早く読めるように工夫されているところが本書の魅力。しかも、どの項目からでも読むことができます。そして、そんな本書を「楽しみながら読んでほしい」と著者は述べてもいます。そうすれば、前向きな気持ちでいろいろなことを吸収できるようになるはずだから。

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

メディアジーン lifehacker
2023年4月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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