『日本を一番愛した外交官』
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『日本を一番愛した外交官』田中秀雄著
［レビュアー］ 産経新聞社
昭和５年、難航するロンドン海軍軍縮会議時に駐日米大使として赴任し、日米対立の緩和に尽力したウィリアム・キャッスル。吉田茂はその回想録で、著名なグルーと並ぶ「日本の友」と評した。
ハワイ生まれで第一次大戦後に米国務省入りしたキャッスルは、排日移民法などの政策が日本の対米感情を大きく悪化させたことに敏感だった。満州事変に際しては日本指導層と太いチャンネルを持つ国務次官として何とか妥協を図るが、対日強硬派であるスティムソン国務長官とは鋭く対立した。現在はほとんど忘れられたキャッスルについての、日本初の評伝だ。（芙蓉書房出版・２９７０円）
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2023年6月18日 掲載
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