【気になる!】文庫『昭和の焼きめし』山口恵以子著
[レビュアー] 産経新聞社
東京・佃で姑(しゅうとめ)の一子(いちこ)、嫁の二三(ふみ)、手伝いの皐(さつき)の3人で切り盛りする「はじめ食堂」。ランチの各種定食はメインに小鉢、漬物、サラダ、お代わり自由のご飯とみそ汁で700円という破格の値段と味が人気だ。
夜には会話も楽しい居酒屋になる同店を舞台にした「食堂のおばちゃん」シリーズの第14作が本書。今回は、ご近所で女性が開業したラーメン店を巡って騒動が起きる。シリーズのどの巻からでも読め、すぐハマるはず。作中に登場する「野菜たっぷりタンメン」「牡蠣(かき)のバター醤油(しょうゆ)ステーキ」などの料理レシピが巻末にあり、そそる。(ハルキ文庫・748円)