自分の魅力に気づけないなら、すぐにやめるといい3つの考え方

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あなたの仕事・人生を好転させる 「ファン」のつくり方

『あなたの仕事・人生を好転させる 「ファン」のつくり方』

著者
小林大地 [著]
出版社
あさ出版
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784866676272
発売日
2023/08/08
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

自分の魅力に気づけないなら、すぐにやめるといい3つの考え方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

あなたの仕事・人生を好転させる 「ファン」のつくり方』(小林大地 著、あさ出版)の著者は20代のころ、なにをしても中途半端で、深い考えもなく転職を繰り返しているような“まったくイケていないサラリーマン”だったのだそうです。

自分の長所・短所がなんなのかさえ自己分析できていなかったと当時を振り返っていますが、そんななかで変化のきっかけとなったのが、受注制で乗用車を販売する会社への転職。

受注制なので、目の前には売るべき商品がなければ、お客様もいません。

何より、まずは人と会って話を聞いていただく機会づくりをしなければ何も始まりませんから、とにかく自分から動くようになりました。

そうしてたくさんの人と会っていく中で、他者のために役に立つことが喜びと思える、自分の長所に気づくようになりました。(「PROLOGUE」より)

そして、しっかりとした関係性を築いていった結果、お客様から信用され、車を買っていただけるようになったのだそう。そんな自身の勝因として著者は、「相互に支え合うファンづくり、つまりギバーの関係性のファンづくり」を挙げています。

その後起業し、現在も大切な仲間たちとさまざまな事業を順調に展開できているのは、ファンをつくり、自分の魅力に気づく方法を手に入れたからに他なりません。(「PROLOGUE」より)

そこで本書において著者は、自身の経験をもとに、「自分の魅力の見つけ方」「他者と共に心豊かに生きていくための方法」などを伝えようとしているのです。

きょうはそのなかから、STEP3「ファンづくりの極意その①「心得編」に焦点を当ててみましょう。

みんなに好かれなくていい

人は誰しも、嫌われるより好かれたいと思うもの。しかし、まわりに合わせることを重視しすぎると“空気を読んで行動すること”が当たり前になり、「嫌われるかもしれない」という恐怖心の影響もあって、本来の自分らしさを発揮できないということにもなってしまいがちです。

けれど、自分に嘘をついて、まわりに合わせながら自分らしく生きることなど不可能。そもそも、そんな人生は楽しくないはずだと著者は主張しています。

簡単に嫌いなものを好きなものに変えることなどできません。

そして、どう頑張っても気が合わない人もいれば、自分とは価値観が合わない人もいるのです。(42ページより)

そんなスタンスを貫く姿を見て、離れていく人もいるかもしれません。しかし、それでも信用してくれる人は必ず現れるもの。

どれだけ人気があって、万人から好かれそうな有名人にも、アンチは存在します。

万人から好かれるような人を、それゆえに嫌うという人は、必ず存在するものです。

そのように、こちらの努力ではどうにもならない他者の感情や、他者からの評価に意識を奪われて生きることは、非常にバカらしく、もったいないことなのです。(43ページより)

逆にいえば、自分に嘘をつき続けている間は、本当に自分を信じてくれる人は現れないのでしょう。そういう意味でも大切なのは、よくも悪くも本心を誤魔化さないことだと著者は述べています。「不特定多数の<誰か>に嫌われないことよりも、大切な人から信頼され、その関係を守る努力をするほうが心は満たされる」のだとも。(41ページより)

合わないことはしなくていい

当然のことながら、人には得意・不得意、好きなこと・苦手なことなどがいろいろあるもの。営業が好きで得意だという人がいれば、苦手という人もいるわけです。

著者の場合、自動車の修理や販売を主とした事業を運営しているものの、じつは手先が不器用なのだそう。頭のなかで車の構造は理解していても、実際に修理作業をするとなるとうまくできないというのです。したがって、そうした作業はすべて専門の整備スタッフに任せているのだとか。

結局のところ、苦手なことを一生懸命に努力してやったところで、好きで得意な人には敵いません。

精いっぱい頑張って、なんとか平均点を取れるくらいのレベルになるだけでしょう。

それなら、自分の得意なことや好きなことに注力し、伸ばすように努めたほうがいいでしょう。(57ページより)

著者の場合、それは中古車オークション会場の検査員時代に培った車の目利き、そして他者と関係性をつくること。そう割り切ってから、注文販売が増えてキャッシュフローが安定し、利益が大幅にアップしたのだといいます。(56ページより)

逃げ癖をつけると終わる

冒頭で触れたように、著者は20代のころから「自分に合わない」と思った会社はすぐ退職し、職を転々としていたのだそうです。転職の目的が「キャリアアップしたい」というポジティブなものではなく、動機は「とにかく逃げたい」ということだったわけです。そして、そんな失敗をしてきたからこそ、伝えたいことがあるようです。

明確でポジティブな転職理由がなく、転職そのものが目的になっている場合は、現状から逃げ出しているだけで、何度繰り返しても何も変わらないだろうということをお伝えしたいのです。

何も変わらないどころかキャリアダウンになり、雇用してくれるのはブラック企業のようなところばかりで、年を重ねるごとに信用も収入も上がるどころか下がるのです。

それとともに、自信も失っていき、公私共に行き詰まってしまう……。

といったことにならないためにも、ブラック企業でない限り、まずは任された仕事を全力でやってみることをオススメします。(61ページより)

そうすれば、結果がどうであれ、自分に対する周囲の評価は変わるはず。つまり自分が変われば、周囲も変わるということです。(59ページより)

ノルマに追われる毎日が続けば、自分の魅力について考える余裕などなくなってしまうかもしれません。だからこそ、「ファンをつくる」ことの重要性を説いた本書は役に立つはず。自分の可能性を伸ばすために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: あさ出版

メディアジーン lifehacker
2023年9月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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