『雪と暮らす古代の人々』相澤央著

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雪と暮らす古代の人々

『雪と暮らす古代の人々』

著者
相澤 央 [著]
出版社
吉川弘文館
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784642059855
発売日
2024/01/24
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『雪と暮らす古代の人々』相澤央著

[レビュアー] 産経新聞社

NHK大河ドラマ「光る君へ」のヒロイン紫式部は、父の任地の福井県で豪雪を体験したそうだ。

だが奈良・平安時代の冬は温暖で、平安京での積雪は約9センチ以下の場合がほとんどだったとみられる。そのためか貴族たちの雪遊びが楽しげだ。庭に雪山を作らせ、その前で音楽を聴き和歌を詠む。北郊の山に馬で登り、都の雪景色を眺める。『源氏物語』には童女たちが雪玉を転がし大玉にして遊ぶ場面があるが、貴族たちは童女たちの姿を見て楽しんだという。

本書は雪を切り口に古代の暮らしを描いたもの。豪雪地帯の雪害や東北での蝦夷との戦いも取り上げた。(吉川弘文館・1870円)

産経新聞
2024年3月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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