稲垣吾郎も感心! 平均年収1200万の朝日新聞を辞めた女性記者、電気代160円の「究極の清貧」ライフへ

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 SMAPの稲垣吾郎さん(42)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」に6月24日、元朝日新聞記者の稲垣えみ子さん(51)が出演した。著書『魂の退社―会社を辞めるということ。』に描かれた物や会社と決別する決断に吾郎さんは敬意をあらわした。

■元朝日新聞のアフロ記者

『魂の退社』は朝日新聞の記者だった稲垣えみ子さんが退社の経緯を綴った1冊だ。稲垣えみ子さんは今年の1月まで朝日新聞に勤務し、編集委員まで務めあげた。アフロヘアの名物記者としてコラムも連載。同コラムでは東日本大震災後にはじめた究極の節電生活の様子を綴り注目を集めた。番組では電気を使わない「究極の清貧」ライフをはじめたきっかけや超一流企業を退社した理由が明かされた。

■「おいしい」から逃げ出したい

 まず同書のなかから朝日新聞からの退社を宣言したときの周囲の反応が読み上げられた。「おいしい」環境を捨てるなんて「もったいない」という反応が多かったという。しかし彼女はそれでもその環境から抜け出した理由を「私はもう『おいしい』ことから逃げ出したくなったのだ」と述べている。スタジオでも「お金でも健康でも失ってゆく時は絶対に来る。そのときに『おいしい』や『たくさん持っていること』がいいことだという価値観をもっていると、死に向かい、どんどんと失ってゆくと不幸になってゆく。死ぬときが一番不幸な状態」とそのような価値観の虚しさを解説した。吾郎さんは「独身だからお金も物も溜まっちゃう」とウケを狙うも「どうしよう捨てられない物だらけだよ」と稲垣えみ子さんの決断に敬意をあらわしていた。

■高給取りの「降りられない列車」

 朝日新聞といえば平均年収1236万円を誇る超一流企業。稲垣えみ子さんも相当もらっていたと紹介され当時の金満ライフが明かされた。洋服屋で次から次へと試着し、買いまくり、店員に歓迎される。顔も覚えられ「私が入っていくと赤じゅうたんを敷かれるような」対応だったと当時の散財の様子を明かす。毎シーズン洋服屋さんを喜ばせるのが「自分の存在証明」でそれは「降りられない列車」のようだったと振り返った。そんな生活も香川県高松支局への異動で強制的に終わりを迎えた。“島流し”とも揶揄された不本意な異動が転機になったのだ。そこで四国を周るお遍路さんと出会い「捨ててゆくことの凄さ」に気付いたという。

■電気代は160円

 また2011年からはじめた節電生活もとりあげられた。原発の事故を受け、原発なしでやってゆけるのか、実際にやってみないと原発反対の言葉にも説得力がないと考え、「電気がない」ということを前提に生活しようとしてみたという。退社後はさらにその取り組みを進め、最近の電気料金は160円だと紹介された。そして出演者一同は稲垣えみ子さんの自宅へと向かい、蛍光灯もテレビも冷蔵庫もない暮らしの一端を覗いた。最後に『魂の退社』に書かれた稲垣えみ子さんの辿りついた境地が暗闇の中で朗読された。「なくてはならないもの」に囲まれた生活はチューブに繋がれた病人のようだと述べ、チューブを抜いてみたら実際はどうってことなかった、「なくてもやっていけるもの」を知ることが本当の自由だった、と吾郎さんは読みあげた。吾郎さんは「今日はすごく色々と、ハッとさせられるよね」と同書の感想を述べていた。

■共感できる?できない?

 放送後SNS上では「捨てられない吾郎さんのほうに共感する」や「SMAPファンだからテレビがないと無理」と稲垣えみ子さんのような生活は無理だとの声もあがる一方、「自分も震災がきっかけでミニマムな生活をこころがけている」や「こういう自由もあると思う」との共感の声もあがっている。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。来週30日のゲストは『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)の著者ジェーン・スーさん。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年6月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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