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- 勉強の技術
- 価格:1,100円(税込)
あなたの周りに、あまり努力をしているように見えないのに、仕事でも勉強でも成績が抜群によい人はいませんか? プロスポーツ選手のメンタルカウンセラーも務め、ビジネスの能力開発推進にも力を注いでいる児玉 光雄さんは、著書『勉強の技術』の中で、「脳科学や心理学の法則にのっとったスマートな方法で勉強することにより、勉強の効率は2倍にも3倍にもなる」と述べています。その児玉 光雄さんに、勉強の効率を上げるノウハウを語っていただきました。
■「初頭効果」と「終末効果」をうまく使う
与えられた勉強時間の中で、いかに集中力を高めて効率よく勉強するかは、勉強の成果を左右する重要なテーマです。学生時代、学校の図書館や塾・予備校の自習室などで、ちょいちょい席を外すにもかかわらず、成績が良かった人はいませんでしたか? 実はこれ、ちゃんと理由があるのです。
集中力については、「初頭効果」と「終末効果」という「心理学の法則」にのっとった勉強法を確立することが重要です。これは「何をするにしても、最初と最後に集中レベルが高まる」という心理法則です。言い換えれば、長時間勉強し続けると、さっぱり集中力が高まらない中だるみの時間が生まれてしまうということです。この中だるみの時間を、できるだけ減らすことが勉強を効率化する秘訣なのです。
たとえば、勉強を2時間するとして、合間に15分の休憩時間を設定するとしましょう。このとき、以下の(1)と(2)ではどちらがベターでしょうか?
(1)1時間勉強した後に15分の休憩をとる
(2)30分勉強するたびに5分間の休憩を3回とる
そう、(2)です。なぜなら、初頭効果と終末効果が2回から6回に増加するからです。
人が集中できる時間は限られているので、それに逆らわずに休憩を入れる。これにより、集中力が回復するので、勉強の効果が高まる
もちろん、休憩中はお茶を飲んだり、机から離れて軽いストレッチをするなどして気分転換しましょう。ただし、気分転換しようと思って休憩中、スマホゲームに興じたりすると、かえって逆効果になることもありますから慎みましょう。
休憩は短時間でいいので、できるだけたくさん設定することが、初頭効果と終末効果が働くので、あなたの勉強効率を着実に高めてくれるのです。
とはいえ、それでも集中力は時間とともに落ちてきますから(誰でも疲れてくるので)、たとえば英語の勉強をするときは、最初の30分間に難易度の高い勉強する、あるいは、まったく学習していなかった新しい学習をする時間にあてましょう。そして、最後の30分間は、その日勉強した内容を復習することに努めましょう。
なお、これと同じ事は仕事でも言えます。頻繁に席を外すわりには成績がいい同僚が周りにいないでしょうか? 席を外すことが多いと「あいつは集中力がない」などと思われることがあるかもしれませんが、実は「集中力を切らさないために、あえて席を外している」のかもしれませんね。
■脳の機能を理解し、それに即した勉強法を取り入れよう
このように、勉強の効率を上げて最大化するには、脳の機能をしっかりと理解して、それに即した勉強法を導入することが大切です。脳科学を無視して、ただ、がむしゃらに勉強したところで、たかが知れています。それだけでなく、そんな勉強法ではいくら時間があっても足りません。
スポーツと同じように、勉強も技術なのです。
もはや、ただ猛練習に明け暮れるだけでは一流のアスリートになれないように、勉強でも効率化や動機付けをはじめとする、さまざまなノウハウを持ち込まない限り、目標や夢をかなえることなど到底不可能なのです。
以下からは、先述の「初頭効果」と「終末効果」を利用した勉強法以外のノウハウも紹介していきます。ぜひ日々の勉強に取り入れてみてください。
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