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- 蜜蜂と遠雷
- 価格:1,650円(税込)
7月11日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『蜜蜂と遠雷』が獲得した。
第2位は『劇場』。第3位は『幼女戦記(8)In omnia paratus』となった。
2位の『劇場』の著者・又吉直樹さんは12日に放送された「タイプライターズ~物書きの世界~」(フジテレビ系)に出演した。小説家としても活躍するNEWSの加藤シゲアキさんがゲストの西加奈子さん、中村文則さんら作家とともに『劇場』の帯に載せる推薦文を考案した。中村さんが考案したのは「驚きました。2作目で早くも『火花』を越えるなんて」。西さんは「『かいぶつ』の内蔵を見せられたような気持ちです」。プロ二人の推薦文をみせつけられた加藤さんは悩みながらも「人生という舞台はこんなにも苦しく愛しい…… 『劇場』で激情しろ!!」と熱い推薦文を披露した。
また西さんは『劇場』について「恋愛の話とともに表現の話。自分がここまで表現に立ち向かえているか」と苦しくて途中で一度読むのをやめてしまったと明かす。そして“狂っている”(西さん談)主人公を一人称で書いた又吉さんに対し「これは難しい。(『火花』のように)観察ならできるけど」と又吉さんの才能を絶賛していた。
1位『蜜蜂と遠雷』恩田陸[著](幻冬舎)
俺はまだ、神に愛されているだろうか? ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!(幻冬舎ウェブサイトより)幻冬舎の月刊PR誌「PONTOON」にて連載された音楽小説。数多の個性的な天才たちが鎬を削るピアノコンクールがドラマチックに描かれる。
BookBangでは書評家の杉江松恋さんと倉本さおりさん、作家の朝井リョウさんによる書評が掲載されている。
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■杉江松恋さん(書評家)レビュー
才能と情熱の小説である。恩田陸『蜜蜂と遠雷』は、国際ピアノコンクールを主舞台として描かれる音楽小説であり、演奏行為を通じて、さまざまなことが綴られていく。…
https://www.bookbang.jp/review/article/519375
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■倉本さおりさん(書評家、ライター)レビュー
『蜜蜂と遠雷』は、ピアニストだけでなく、ステージマネージャーや調律師、取材スタッフなど、コンクールを支える側の人間たちの姿まで細やかに描けていることも見逃せない。…
https://www.bookbang.jp/review/article/527584
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■朝井リョウさん(作家)レビュー
読書面が日曜の朝刊で本当によかった。五百ページ超えの二段組、大ボリュームのこの物語は、読み終わるまで私たちを放してくれない。休日に一気読みすることをオススメする。…
https://www.bookbang.jp/review/article/521681
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- 劇場
- 価格:1,430円(税込)
2位『劇場』又吉直樹[著](新潮社)
演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。(新潮社ウェブサイトより)
BookBangでは作家の西加奈子さん、服部文祥さん、町田康さんらによる書評が掲載されている。
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■西加奈子さん(作家)レビュー
一気に読み進めたいのだけど、実際読む手は止まらないのだけど、苦しくて苦しくて、どうしても一度伏せてしまう作品がある。そんな作品に出逢うのは稀で、だからしばらく動悸が止まらないし、読み終わった後もその世界にずっと引きずられる。「劇場」はまさにそういう作品だった。…
https://www.bookbang.jp/review/article/532102
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■服部文祥さん(登山家・作家)レビュー
才能あふれるとはいかないが、そこそこはやっていけそうな、それでいてちょっと神経症気味の若い劇作家が人生をもがいている。天使のような同世代の女性と知り合い、親しくなっていく。プロットはベタな青春物語である。だが、…
https://www.bookbang.jp/review/article/531791
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■町田康さん(作家)レビュー
先日。自らハンドルを握り、首都高速道路三号線を用賀方面に向かって走行していたところ三軒茶屋のあたりでなんだか急速に気持ちがざわついてきたので、音楽でも聴いたら少しは気が晴れるのではないか、例えば…
https://www.bookbang.jp/review/article/532099
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3位『幼女戦記(8)In omnia paratus』カルロ・ゼン[著](KADOKAWA)
連邦資源地帯への大規模攻勢作戦『アンドロメダ』。無謀を説いていたゼートゥーア中将は参謀本部から東部への『栄転』に至る。先細った連絡線、破たん寸前の兵站網、極めて長大な側面の曝露。要するに、誰もがオムツの用意を忘れているのだ。かくして、ゼートゥーア中将はレルゲン戦闘団へ特命を下す。指揮官たるターニャに命じられるのは退却の許されない籠城戦。勝たねばならない。人材、食糧、砲弾、すべてが不足すれども勝利依存症の帝国は戦争を止められない。苦しかろうとも、続けるしかない。足りない火力は血と覚悟で埋めるのみ。さぁ、起こりうるすべてに備えよう。(KADOKAWAウェブサイトより)
4位『か「」く「」し「」ご「」と「』住野よる[著](新潮社)
5位『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)
6位『かがみの孤城』辻村深月[著](ポプラ社)
7位『素敵な日本人 東野圭吾短編集』東野圭吾[著](光文社)
8位『君の膵臓をたべたい』住野よる[著](双葉社)
9位『パーマネント神喜劇』万城目学[著](新潮社)
10位『また、同じ夢を見ていた』住野よる[著](双葉社)
〈単行本 文芸書ランキング 7月11日トーハン調べ〉
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