エリートでも95%が陥る「ワンパターン思考」の罠――人間の思考には7つの致命的欠陥がある

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素晴らしい解決策はなぜ出ないのか

ある課題を解決しようとミーティングを繰り返しても、出てくるアイデアはどこかで聞いたことのあるようなものばかり。画期的な解決策を見出せないまま「それなりの」対症療法で妥協してしまったことはありませんか?

『なぜ、最高のソリューションが出ないのか? 問題解決「脳」のつくり方』の著者であるマシュー・E・メイ氏は、プロのファシリテーターとして、米国トヨタをはじめとする世界中の企業のエリートたちを相手に「問題解決」に関するワークショップを行なってきました。

その経験からメイ氏は、「人間の思考には致命的な欠陥がある」と考えるようになります。なぜなら、ワークショップで取り上げる思考課題を、95%のエリートたちが正しく解けないからです。そればかりか、彼らが提案する解決策はひどく回りくどく、しかも、考え方や行動パターンの大部分が共通していたのです。

このことは、エリートでさえ、いや、エリートだからこそ陥ってしまう思考の罠=「思考の致命的な欠陥」があることを示すものでした。メイ氏によると「欠陥」は7つあります。

7つの「思考の致命的な欠陥」
1.結論を出し急いでしまう「飛躍」
2.パターン化された思考にこだわる「固着」
3.かえって物事を複雑にしてしまう「考えすぎ」
4.それなりに良い答えで納得してしまう「満足」
5.できるはずがないと思ってしまう「過小評価」
6.外部の意見ややり方を拒絶する「自前主義」
7.自分でアイデアを握りつぶしてしまう「自己検閲」

ここでは、欠陥2.の「固着」について、その正体と解決策を、本書の事例をあげながら紹介します。

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「ジュリエットとジェニファーは同年同月同日、同じ父母のもとに生まれたが、この2人は双子ではない。なぜそんなことがありうるのか?」

このような問題を見かけたことがある人もいるかもしれません。心理学者や神経科学者が被験者に好んで出す問題のひとつです。本書の第2章「パターン化された思考にこだわる『固着』」には、このような問題が15個紹介されています。

上の問題を解けなくてもがっかりすることはありません。「双子じゃないなんてありえない!」と、答えの想像もつかない人は大勢います。

ただ、もし解けないなら、「1つの考えに固着する」という思考の欠陥が、あなたの中にもあるということになります。

「固着」とはこびりついた思考のパターン

人間の脳は、経験の積み重ねによってパターンをつくり、そしてそのパターンにもとづいて物事を識別し、認識します。このパターンに従えば、日常的に起こる問題を効率良く解決できるからです。

ところが脳は、したいようにさせておくと一定の思考パターンから抜け出せなくなり、新しい視点から物事を見ることができなくなります。脳の奥底にこびりついた思考パターンのせいで、複雑な問題を解決に導く新しい発想が出てこなくなるのです。

「固着」という言葉は、心理学で言う「機能的固着」に由来していますが、パラダイムや先入観、メンタルブロックなどとも言われます。

固着はときとして、ビジネスや個人に大損害を与えることがあります。アメリカのゼネラスモーターズ(GM)は1980年代に日本などからの輸入車によって急速にシェアを失いましたが、その原因を数十年にわたる固着に見る識者もいます。

GMには「車で大切なのは品質よりもスタイルとステータスであって、輸入車が脅威になることは決してないし、社員の働き方いかんで状況が変わることもない」という考え方が固着していて、その間違いに気づいたときにはすでに手遅れだった、というのです。

日本実業出版社
2017年7月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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