63歳で芥川賞を受賞した若竹千佐子さんの告白「夫が亡くなったのは私に小説を書かせるためだったんじゃないか」

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 1月16日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『幼女戦記(9) Omnes una manet nox』が獲得した。
 第2位は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲 Ex』。第3位は『西郷どん! 並製版(上・中・下)』となった。

 4位以下で注目は8位にランクインした『おらおらでひとりいぐも』。16日に発表された第158回芥川賞、第54回文藝賞を受賞した若竹千佐子さんのデビュー小説。今回の週間ベストセラー集計期間は芥川賞発表前だ。受賞前から売れ行きは良好で、出版元の河出書房新社は11月の発売以来6万5千部を発行していた。トーハンベストセラーランキング文芸書部門でも、12月26日に9位、1月10日に4位と順位を上げ続けていた。芥川賞受賞を受け、河出書房新社は5万5千部の増刷を決め、累計発行部数は12万部に達した。

 若竹さんは『おらおらでひとりいぐも』の刊行記念対談で小説家の保坂和志さんと対談し、創作を始めた経緯から、今作の解説、次作についてまで大いに語っている。また「夫の四十九日の次の日から八丁堀の小説講座に通いはじめたんです」と明かし、亡くなった夫への思いを語っている。

《私は夫が亡くなった時に悲しみと同時に道が開けたのを感じたと言いましたけれど、それはどこかで、これから私は自分の人生の主体者として生きられる、というような気持ちがあったということなんです。それまでの私は夫を支えることに一生懸命で、何だか自分は半分しか生きていないな、みたいに感じていた。それが客観的にわかるまでに、八年かかったんだと思います。いま思えば、夫が亡くなったのは私に小説を書かせるためだったんじゃないかって……。七十代だったら、そこから小説を書くかどうか、とにかくいまとはまったく違うだろうと思います。》
https://www.bookbang.jp/review/article/542411

 同時受賞した石井遊佳さんの「百年泥」(新潮社)は1月24日に発売される予定。

1位『幼女戦記(9) Omnes una manet nox』カルロ・ゼン[著](KADOKAWA)

療養・再装備のため、帝都へ帰還したレルゲン戦闘団。そこで目にしたのは、死という非日常に慣れてしまった祖国の日常だった。激烈に損耗し、閉塞感に囚われた帝国の世論はあまりにも『勝利』を渇望してやまない。そして新たにターニャに与えられた「無理」な仕事は、潜水艦による敵戦隊の捜索撃滅。秘密兵器はMAD手製の大型魚雷。死力を燃やし尽くしてなお、その先にも暗闇が横たわる。己に平穏を――。ターニャのささやかな願望さえも、あまりに遠い。出口のない戦争は激化の一途をたどる。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『デスマーチからはじまる異世界狂想曲 Ex』愛七ひろ[著](KADOKAWA)

ここでしか見られないサトゥー一行のキャラクター資料、過去の店舗特典&初公開のSSも40本収録! 100P超の書き下ろし短編、あやめぐむ、兎塚エイジ、輝竜司、戸部淑のゲストイラストも収録した豪華な一冊!(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『西郷どん! 並製版(上・中・下)』林真理子[著](KADOKAWA)

薩摩の下級藩士の家に生まれた西郷吉之助(のちの隆盛)は、貧しいながらも家族やのちに大久保利通となる正助ら友に恵まれて育った。やがて吉之助は敬愛する藩主・島津斉彬に見いだされ、側仕えとして江戸に京都に飛び回るようになっていく。鹿児島で得た生涯の出会い、早すぎる師との別れ、そして絶望の中赴いた奄美大島での、運命の恋。日本一わかりやすい、マリコ流幕末ロマン!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『屍人荘の殺人』今村昌弘[著](東京創元社)

5位『ふたご』藤崎彩織[著](文藝春秋)

6位『おもかげ』浅田次郎[著](毎日新聞出版)

7位『レジェンド(10)』神無月紅[著](KADOKAWA)

8位『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子[著](河出書房新社)

9位『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

10位『僕はロボットごしの君に恋をする』山田悠介[著](河出書房新社)

〈単行本 文芸書ランキング 1月16日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年1月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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