「なんという一冊を読んでしまったのか」書評家がその衝撃に打ちのめされた一冊がミステリランキングを制する[文芸書ベストセラー]

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 12月13日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身10」』が獲得した。
 第2位は『このミステリーがすごい!2023年版』。第3位は『老害の人』となった。

 4位以下で注目は5位に初登場の『爆弾』呉勝浩[著](講談社)。2位にランクインした年末恒例のミステリランキング『このミステリーがすごい!2023年版』で国内編1位に輝いた作品だ。警察に連行された冴えない中年の酔っぱらい男。男は秋葉原で起こる爆発事件を予告し、実際に爆発が起こる。男はさらに3度の爆発があると警察に語り、それを止めようとする警察との知恵比べを始める。果たして男は何を狙い、警察は爆発を止められるのか。

 書評家の村上貴史さんは同作を《個々の登場人物および集団としての人々を様々に重ね合わせた驚異の多視点サスペンス》と紹介。《爆発を通じてあぶり出される人々の心理――人の価値の判断や人の命の取捨選択――は、読者に自分自身の心理として響く。そのうえで、終盤で突き止められる事件の構図に震撼する。そこまでに語られてきた情報から必然として導かれながらも意外な構図だ。しかもズシリと重い》と読みどころを解説し《なんという一冊を読んでしまったのか。衝撃に打ちのめされる》と驚愕の展開を絶賛している。

1位『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身10」』香月美夜[著](TOブックス)

深夜の貴族院。ローゼマインはフェルディナンド、ダンケルフェルガーの騎士と共に、アダルジーザの離宮の制圧に向かった。その中で中央騎士団の造反やジェルヴァージオの行方不明が判明し、一行は貴族院図書館へーーやがて全勢力が講堂内に集結。「女神の化身」の大暴走、「魔王」の暗躍、「王の剣」の戦い!王族、中央、ランツェナーヴェ、エアヴェルミーンの思惑が交錯しながら、「中央の戦い」は怒涛の終結を迎える!大増書き下ろし100ページ超の閑話集、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!(TOブックスウェブサイトより)

2位『このミステリーがすごい!2023年版』『このミステリーがすごい!』編集部[編](宝島社)

巻頭では『ジョジョの奇妙な冒険』35周年を記念し『岸辺露伴は動かない』を特集。荒木飛呂彦さんへのインタビューや、作家の伊坂幸太郎さん・辻村深月さん・法月綸太郎さん、脚本家・加藤敏幸さんが荒木作品を語るエッセイ、脚本家・小林靖子さんへのメールインタビューを掲載します。また、西村京太郎さん追悼企画も。有栖川有栖さん・大山誠一郎さん・千街晶之さんに「トラベルミステリー」「本格ミステリー」「社会派ミステリー」の三つの視点から、作品を紹介してもらいます。西村さんの担当編集者による座談会も必読です。各業界人も注目する2022年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、例年の人気コンテンツも充実の一冊です。(宝島社ウェブサイトより)

3位『老害の人』内館牧子[著](講談社)

『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!(講談社ウェブサイトより抜粋)

4位『黒石 新宿鮫XII』大沢在昌[著](光文社)

5位『爆弾』呉勝浩[著](講談社)

6位『君のいた時間 大人の流儀Special』伊集院静[著](講談社)

7位『教誨』柚月裕子[著](小学館)

8位『異世界ウォーキング 3 ~エーファ魔導国家・散策編~』あるくひと[著](KADOKAWA)

9位『鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ 7』たままる[著](KADOKAWA)

10位『方舟』夕木春央[著](講談社)

〈文芸書ランキング 12月13日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年12月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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