「パパの本はちょっと難しい」と娘に言われた磯田道史 徳川家康の“要点だけを書いた”一冊がベストセラー

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 2月28日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』が獲得した。
 第2位は『ぼけの壁』。第3位は『徳川家康 弱者の戦略』となった。

 3位に初登場の『徳川家康 弱者の戦略』は歴史家の磯田道史さんが、松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」でも話題の徳川家康の実像に迫った一冊。磯田さんは同書の「はじめに」で妻から《「徳川家康の生きざまとか、歴史のことを知りたいが、歴史の本は難しい。細部が多すぎて、分かりにくい。時代背景がわかるよう要点を書いてほしい」》(同書より引用、以下同)と言われたと独白。また娘からも《「パパの本はちょっと難しい」》と言われ、要点だけをわかりやすく書いたのが本書だと解説。その要点とは、三河の弱小大名が天下を取り260年も続く政権を築けた理由と、その「弱者の戦略」についてだという。磯田さんは《読者のみなさんの人生は一度きりで大切なものです。信長や秀吉のような力強い他人に振り回されず、ぜひ自分の人生を自分のものにしてください。》と今を生きる人々が家康の後ろ姿から何かを得られる本にしたい、と同書に込めた思いを述べている。

1位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録……。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『ぼけの壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

幸せな老後、残念な老後を左右するのは「ぼけ=脳の老化」。その二大原因は認知症と「老人性うつ」だ。認知症は実は進行がゆっくりで、決して「かかったら人生おしまい」ではない。他方、「老人性うつ」は死に至る病で認知症より怖いとも言えるが、適切に治療すれば治る病気だ。そもそも脳は臓器の中でも頑強にできていて、正しく知ってメンテナンスすれば、ぼけが始まっても簡単には衰えない。ベストセラー『80歳の壁』の著者が、老化を遅らせて明るく前向きに過ごすための、脳の正しい使い方を教えます!(幻冬舎ウェブサイトより)

3位『徳川家康 弱者の戦略』磯田道史[著](文藝春秋)

徳川幕府が二百六十年隠してきた真実を暴く! 信長、信玄、そして秀吉。圧倒的な強者を相手にしてきた家康はつねに「弱者」だった。それがなぜ天下人となったのか? そこには弱者だから取り得た戦略、ライバルからの旺盛な「学び」があった。第一人者が家康の実像に迫る。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『80歳の壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

5位『成熟スイッチ』林真理子[著](講談社)

6位『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』田坂広志[著](光文社)

7位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

8位『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』篠田謙一[著](中央公論新社)

9位「ゼロからの『資本論』」斎藤幸平[著](NHK出版)

10位『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』橘玲[著](新潮社)

〈新書ランキング 2月28日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年3月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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