南沢奈央「読み終えたくない」数ページごとに本を置いて嘆息した浅田次郎の歴史小説とは[文庫ベストセラー]

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 2月28日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9』が獲得した。
 第2位は『薬屋のひとりごと 13』。第3位は『流人道中記(上)』となった。

 3位と6位に初登場の『流人道中記(上・下)』は読売新聞朝刊に連載されていた浅田次郎さんの歴史小説。不義密通で流刑となった旗本・玄蕃と、彼を蝦夷まで送り届けることとなった若者・乙次郎の二人旅が描かれる。二人が北上する奥州街道で巻き起こる事件を玄蕃が人情味あふれる気の利いた方法で解決してゆく。乙次郎はそんな玄蕃に感化されながら成長し、玄蕃の本当の罪を知ることとなる。

 女優の南沢奈央さんは読売新聞に掲載された書評で《上巻は一気読み、下巻に入ると数ページごとに本を置いては、腕を組んで嘆息。読み終えたくない。いや、この罪人を押送する旅を終えたくないと思っている。つまり、任務を放棄して、青山玄蕃(げんば)という男と旅を続けたい――。》と読み進めながら乙次郎と同じ気持ちになっていたと告白し、《本書は、人生という旅路において、闇夜をあまねく照らす月の光のような存在》と評している。

1位『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9』衣笠彰梧[著](KADOKAWA)

修学旅行も終了した12月、2学期最後の特別試験・協力型総合筆記テストが発表される。内容は1人ずつ交代で試験問題を解き、最終的にクラス全員で全100問のテストを解くというもの。堀北Bクラスは坂柳Aクラスとの対戦となる。試験準備が始まる中、南雲が次期生徒会長を決めると宣言する。2年生の生徒会メンバーは堀北と一之瀬。立候補を問われるも一之瀬の意思は生徒会自体を辞めるというものだった。新たな生徒会メンバーの確保という問題の他、鬼龍院を狙った万引き偽装事件も発生し、生徒会周辺も慌ただしくなっていく。
『無理してないから。……私も、綾小路くんに会いたい……』学園黙示録は新たな混沌へ――。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『薬屋のひとりごと 13』日向夏[著](主婦の友インフォス)

TVアニメ2023年放送決定! 猫猫役は悠木碧さん。シリーズ累計2100万部の最新巻は猫猫が壬氏の思いに対する選択に…?(主婦の友インフォスウェブサイトより)

3位『流人道中記(上)』浅田次郎[著](中央公論新社)

「痛えからいやだ」と切腹を拒み、蝦夷へ流罪となった旗本・青山玄蕃。ろくでなしであるはずのこの男には、弱き者を決して見捨てぬ心意気があった。(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『シャイロックの子供たち』池井戸潤[著](文藝春秋)

5位『カケラ』湊かなえ[著](集英社)

6位『流人道中記(下)』浅田次郎[著](中央公論新社)

7位『一人称単数』村上春樹[著](文藝春秋)

8位『鬼の花嫁 新婚編二~強まる神子の力~』クレハ[著](スターツ出版)

9位『三千円の使いかた』原田ひ香[著](中央公論新社)

10位『オフマイク』今野敏[著](集英社)

〈文庫ランキング 2月28日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年3月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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