「行動やセリフもエクセルに書いて……」驚愕の青春ミステリ『六人の嘘つきな大学生』 著者が明かした緻密な執筆方法 映画化も決定[文庫ベストセラー]

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 7月11日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『あだ討ち 柳橋の桜(二)』が獲得した。
 第2位は『逆ソクラテス』。第3位は『52ヘルツのクジラたち』となった。

 4位以下で注目は10位にランクインした『六人の嘘つきな大学生』。2021年3月に刊行された青春ミステリ小説、待望の文庫版。2022年本屋大賞にノミネートされた他、『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)でも国内編8位に選ばれ、大きな話題となった。舞台はIT企業の採用試験。6人の大学生が一人の内定者を決めるためにディスカッションを行う。各々が後ろ暗い秘密を抱えており、秘密を告発する封筒の存在が明らかになると、6人は密室で心理戦を繰り広げる。会話劇の合間に後日のインタビューも挟まれ、封筒を用意した犯人は誰なのか、採用されたのは誰なのか、情報が明らかになるたびにそれぞれの印象が変わっていく。二転三転する緻密に練られたストーリーがTiktokやTwitterで話題となった。同作は映画化されることが決定している。公開は2024年を予定。

 著者の浅倉秋成さんはインタビューでまずお話の設計図を作り、《それぞれの行動や台詞もエクセルに書いて、全体を把握してから書き始めます。細かいところで遊ぶためには、大枠が見えていないと迷子になるので、マクロからミクロに落とし込んでいく感じです》と手の込んだ執筆方法を解説している。

1位『あだ討ち 柳橋の桜(二)』佐伯泰英[著](文藝春秋)

新作書下ろしシリーズ「柳橋の桜」の第二巻となります。主人公は船頭の娘・桜子。父親が猪牙船を操る姿を見て育ち、自分も女船頭になることを夢見ている女性です。また、香取流棒術の道場に通い、師匠が認めるほどの武芸の腕前を持っています。二巻では、棒術で悪党を懲らしめたことが読売で書かれ、江戸で評判となった桜子は、念願の女船頭となります。舟盗賊が出没し殺人事件も起きているという物騒なこの時期に船頭となることを心配する父・広吉。そんななか、桜子に思わぬ悲劇が……。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎[著](集英社)

「敵は、先入観だよ」学力も運動もそこそこの小学6年生の僕は、転校生の安斎から、突然ある作戦を持ちかけられる。カンニングから始まったその計画は、クラスメイトや担任の先生を巻き込んで、予想外の結末を迎える。はたして逆転劇なるか!? 表題作ほか、「スロウではない」「非オプティマス」など、世界をひっくり返す無上の全5編を収録。最高の読後感を約束する、第33回柴田錬三郎賞受賞作。(集英社ウェブサイトより)

3位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

二〇二一年本屋大賞第一位。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年の新たな魂の物語――。〈解説〉内田 剛(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『魂手形 三島屋変調百物語七之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

5位『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』鴨志田一[著](KADOKAWA)

6位『正欲』朝井リョウ[著](新潮社)

7位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

8位『灯台からの響き』宮本輝[著](集英社)

9位『長島忠義 北近江合戦心得〈二〉』井原忠政[著](小学館)

10位『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成[著](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 7月11日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年7月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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