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- 空想科学読本 「高い高い」で宇宙まで!
- 価格:770円(税込)
マンガやアニメには、魔法のような現象や驚異的なアイテムが登場する。名探偵コナンの「蝶ネクタイ型変声機」の仕組みは? ぐりとぐらが作った大きなカステラ、実際のサイズとは!? 気になるあれこれを科学的に徹底検証。誰もが夢中になること間違いなし!
大人気シリーズの角川文庫版、第4弾となる本書より、「「源氏物語」では、光源氏の涙で枕が浮いた! どんだけ泣いたんだ!?」を1篇まるまる特別公開いたします。
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空想科学研究所では、2007年から希望される学校の図書館に「空想科学 図書館通信」を無料で配信していて、そこでは毎週一つずつ生徒たちの質問に答えている。ときどき先生から質問をいただくケースがあるのだが、この問題もその一つだ。
『源氏物語』は平安時代に紫式部によって書かれた物語で、「世界最古の長編小説」ともいわれている。主人公は、イケメンでいろいろ才能も豊かな光源氏。幼くして母を亡くしたこともあり、母に似た女性を見るや、道ならぬ恋に落ちてしまい、それも一人や二人じゃなくてもうウヒョウヒョと……という、いまだったら何度も謝罪会見するような人生である。でも、高校の古文の時間には必ず習うのである。大学入試にも出るのである。不思議である。
で、この光源氏がある晩、波の音を聞いているうちに「涙おつともおぼえぬに枕うくばかりになりにけり」。質問をくださった先生が添えてくれた現代語訳によれば「気がつくと、涙の海に枕が浮かぶほどになっていた」。うっひょ~、泣いたものですなあ!
質問をくれた先生は高校の古文の授業中、生徒に「どれくらい泣くとこうなるのですか?」「こんなに泣いて、光源氏は死なないのですか?」と聞かれ、ちょっと困ってしまって、筆者のところに質問されたのでした。
この問題、たいへん興味深いので、ここで読者の皆さんにも紹介したい。もちろん「枕が浮く」というのは光源氏の悲哀の深さを示す比喩だが、まことに味のある表現ではないですか!
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