上白石萌音、松村北斗主演で映画化も予定『夜明けのすべて』がベストセラーランキングに 生きづらさを抱える二人の心温まる物語[文庫ベストセラー]

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 9月12日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『夢よ、夢 柳橋の桜(四)』が獲得した。
 第2位は『契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上)』。第3位は『本所おけら長屋 外伝』となった。

 4位以下で注目は4位に初登場の『夜明けのすべて』。2019年に『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)で本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんが2020年に発表した作品の文庫版。PMS(月経前症候群)で月に一度、イライラが抑えられない美紗と、美紗の会社に転職してきたパニック障害を抱える青年山添。ともに生きづらさを感じる二人が互いにいたわりあうことで人生に希望を見出していく、心温まる物語。

 2024年2月に映画版の公開が予定されている。美紗を上白石萌音さん、山添をアイドルグループSixTONESの松村北斗さんが演じる。監督は三宅唱さん。上白石さんは瀬尾さんの作品の熱心な読者で、『そして、バトンは渡された』文庫版の解説も務めている。映画化決定の際にも《「夜明けのすべて」は元から大好きな小説でしたが、撮影現場は小説がそのまま現実になったかのような空気感でした。三宅監督の深く心強い全方位への愛、松村さんの悔しいくらい素敵なお芝居、隅々までこだわり抜かれた現場。これ以上ないほど贅沢な環境で、緻密な会話を重ねながら藤沢さんを演じた日々でした。できることならタイムスリップしたいくらいです。公開を楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。》とコメントしている。

1位『夢よ、夢 柳橋の桜(四)』佐伯泰英[著](文藝春秋)

波乱万丈の旅を経て新しい生き方を探す桜子と小龍太。魚河岸の老舗・江の浦屋5代目が仕掛ける異国交易の仕事の未来と大きさに惹かれる小龍太。小龍太との祝言を前に、船頭の道を進むべきか悩む桜子。そんな中、オランダ人画家コウエルの「二枚の絵」がそれを見た人々を少しずつ変えてゆく-―早朝の柳橋・神木三本桜に願うのは、大きな儲けか、夢の実現か。猪牙強盗の事件の謎の解明、そして未来への希望が詰まった最終巻。(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

2位『契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上)』高田郁[著](角川春樹事務所)

シリーズを彩ったさまざまな登場人物たちのうち、四人を各編の主役に据えた短編集。五鈴屋を出奔した惣次が、如何にして井筒屋三代目保晴となったのかを描いた「風を抱く」。生真面目な佐助の、恋の今昔に纏わる「はた結び」。老いを自覚し、どう生きるか悩むお竹の「百代の過客」。あのひとに対する、賢輔の長きに亘る秘めた想いの行方を描く「契り橋」。商い一筋、ひたむきに懸命に生きてきたひとびとの、切なくとも幸せに至る物語の開幕。まずは上巻の登場です!(角川春樹事務所)

3位『本所おけら長屋 外伝』畠山健二[著](PHP研究所)

金はないが情はある、お節介で名高い「おけら長屋」を舞台にした大人気シリーズの“外伝”は、登場人物たちの若き日を描く前日譚。万造と松吉は、おけら長屋で出会った途端に意気投合するが……「馬鹿と外道は紙一重」、おけら長屋は実は“事故物件”!?住民らに災いが起きる中、長屋立ち退きの話まで持ち上がり……「金太が街にやってくる」など全四編と、特別付録としてシリーズ第一幕(1巻?20巻)の名場面ガイドを収録。(PHP研究所ウェブサイトより)

4位『夜明けのすべて』瀬尾まいこ[著](文藝春秋)

5位『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん7』燦々SUN[著](KADOKAWA)

6位『琥珀の夏』辻村深月[著](文藝春秋)

7位『薔薇色に染まる頃 紅雲町珈琲屋こよみ』吉永南央[著](文藝春秋)

8位『隠密鑑定秘禄三 下達』上田秀人[著](徳間書店)

9位『逃れ者 新・秋山久蔵御用控(十七)』藤井邦夫[著](文藝春秋)

10位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

〈文庫ランキング 9月12日トーハン調べ〉

新潮社 週刊新潮
2023年9月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

株式会社新潮社「週刊新潮」のご案内

2016年に創刊60周年を迎える「週刊新潮」。数々のスクープを連発し社会に衝撃を与え続ける総合週刊誌です。