「成功物語」よりも「失敗事例」を見るほうが為になる 大河では描かれない『家康の誤算』を磯田道史が解説[新書ベストセラー]

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 11月7日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊』が獲得した。
 第2位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』。第3位は『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』となった。

 1位に初登場の『家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊』は歴史学者の磯田道史さんの最新作。クライマックスが近づくNHKの大河ドラマ「どうする家康」の主人公・徳川家康。家康がつくり上げた幕藩体制は200年以上の長きに渡り平和をもたらした。盤石と思われたその体制はなぜ崩れたのか。家康が仕掛けた「神君の仕組み」を骨抜きにした人物や政策はなんだったのか? 最新作の学術研究を踏まえながら磯田さんが解説する。

 磯田さんは今年2月に信長、信玄、秀吉ら居並ぶ圧倒的な強者のなかで「弱者」である家康がなぜ天下人となれたのかを分析した『徳川家康 弱者の戦略』(文藝春秋)を出版している。一方今作のまえがきでは《「成功物語」よりも「失敗事例」を見るほうが、ずっと為になります。現代人も「衰え」に備えなくてはなりません。》と述べている。現代を生きる我々にも人生に役立つ知恵を与えてくれる一冊だ。

1位『家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊』磯田道史[著](PHP研究所)

徳川家康は、いかにして幕府を創り上げ、それはなぜ、どのように崩壊していったのか。そして、家康が近代日本に与えた影響とは――。(PHP研究所ウェブサイトより)

2位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』池上彰[著](ポプラ社)

急成長中のIT大国インド、一強を狙う中国、ウクライナに侵攻したロシア――歴史をおさえると、各国の思惑がよくわかる!(ポプラ社ウェブサイトより)

4位『認知症にならない100まで生きる食事術』牧田善二[著](文藝春秋)

5位『日本の歪み』養老孟司[著]茂木健一郎[著]東浩紀[著](講談社)

6位『「発達障害」と間違われる子どもたち』成田奈緒子[著](青春出版社)

7位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

8位『親密な手紙』大江健三郎[著](岩波書店)

9位『男と女-恋愛の落とし前-』唯川恵[著](新潮社)

10位『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』金津里佳[著](青春出版社)

〈新書ランキング 11月7日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年11月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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