核惨事

東京電力福島第一原子力発電所過酷事故被災事業者からの訴え

核惨事

著者
渡辺瑞也 [著]
出版社
批評社
ISBN
9784826506588
発売日
2017/02/25
価格
2,750円(税込)

内容紹介

福島第一原発事故の避難指示区域圏内の病院長である著者が自らの体験談を踏まえ、薄れつつある原発被災の恐ろしさを伝えながら、原子力発電の科学的困難と災害後の医学的問題・被災者の補償にまつわる法律的な複雑さを啓発する。
――今年で6年目を迎える3.11の記憶は、打ち消そうと思っても打ち消せるわけがない。未だにあの悪夢のような日々が、さらに追い打ちを掛けるように今でも続いているからだ。家族や家庭を奪われ、生活を奪われ、仕事を奪われ、さらに補償・賠償が打ち切られようとしているのだ。
――東日本大震災という呼称に包含させられてしまった東京電力福島第一原子力発電所の複数原子炉の炉心溶融貫徹(メルトスルー)事故よる災禍は、自然災害とは全く異質の産業災害であり、悪魔にも似た放射性物質を東日本全域に大量にばら撒いた人災である。環境を汚染した物質が、あらゆる生物の生命活動を外側からも内側からも破壊し続ける放射性物質であるということが、原発過酷事故という人災が持つ究極的悲劇の本質である。[本文より]

データ取得日:2024/04/22