『元号通覧』
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【気になる!】文庫 『元号通覧』
[レビュアー] 産経新聞社
明治の文豪、森鴎外が最晩年、宮内省図書頭(ずしょのかみ)として「最大著述」と取り組んだ『元号考』の文庫化。
「大化」にはじまり、約1300年分、240を超える元号について、改元時の天皇、日付、理由、出典などを列挙。また、不採用になった候補、その出典なども記され、〈日本の元号が一望できる〉。
「明治」は10回、「大正」も3回候補になり、「平成」は江戸時代最後の「慶応」を決める際の案にもあった…。作家、猪瀬直樹氏の解説では、元号制定をめぐるエピソードのほか、元号に対する鴎外の執念も伝わってきて、胸躍る。(森鴎外著、講談社学術文庫・1230円+税)