【今週の労務書】「超」働き方改革 四次元の「分ける」戦略 太田肇著

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「超」働き方改革

『「超」働き方改革』

著者
太田 肇 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784480073259
発売日
2020/07/08
価格
858円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【今週の労務書】「超」働き方改革 四次元の「分ける」戦略 太田肇著

[レビュアー] 労働新聞社

ジョブ型よりも自営型へ

 働き方改革が思うように成果を上げない理由を、著者は「組織や集団に個人が溶け込んでいる」からだと指摘する。今必要なのは個人の分化であるとし、本書では仕事や働く場所などの次元から、その方法やもたらされる効果を探っていく。

 仕事を個人に分ける方法としては、欧米の「職務型」や「専門職型」を挙げたうえ、アジアにみられる方法として「自営型」を紹介した。たとえば開発から販売までの仕事を丸々任せ、大きな裁量を認めるならば、モチベーションは高まり、働く場所の制約も受けにくいとする。仕事の属人性が強い日本ではむしろ、職務型より馴染みやすい、と普及に期待を寄せている。

 働く場所をテーマにした章では、大部屋に仕切りもなく机を並べた職場が、いかに特殊か思い知らされる。従来の“当たり前”を疑う姿勢が、興味深い。

労働新聞
令和2年8月31日第3270号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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