【気になる!】文庫 「往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』」

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』

『往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』』

著者
古井 由吉 [著]/佐伯 一麦 [著]
出版社
講談社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784065263587
発売日
2021/12/13
価格
1,980円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫 「往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』」

[レビュアー] 産経新聞社

幼いころに経験した空襲の記憶を濃密な文体で描いた古井由吉と、日本の私小説の伝統を独自の手法で受け継いだ佐伯一麦。現代日本文学を代表する作家が、20世紀末と平成23年の東日本大震災の後に交わした往復書簡を収める。

震災後に交わされた『言葉の兆し』が興味深い。仙台で被災した佐伯が「自省を込めた悲観の情熱(パッション)によって危難と向き合うとき」とつづれば、古井は「沈黙こそ、言葉の兆すところです」と応じる。今ここにいる「私」の心もとなさと危うさを描いてきた作家の洞察力が光る。(古井由吉(よしきち)・佐伯一麦(かずみ)著、講談社文芸文庫・1980円)

産経新聞
2022年1月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加