シリーズ「地域の古代日本」の一冊。大陸への窓口だった九州と、日本列島の中心となる近畿を媒介する役割を果たし、古代から人や文物、情報が往来した中国・四国地方の歴史を描く。
瀬戸内、日本海、太平洋の沿岸を走る東西3ルートに加え、瀬戸内と日本海、太平洋をつなぐ南北ルートなど、交通や交流が生み出す歴史に注目しているところが興味深い。岡山の弥生墳丘墓と出雲の関係、出雲と新羅や渤海(ぼっかい)との交流、製鉄技術が果たした役割など古代史を多面的に追っている。
同シリーズには『東アジアと日本』『東国と信越』などもある。(角川選書・2530円)

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2022年11月6日 掲載
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