『文庫の読書』
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【気になる!】文庫『文庫の読書』荒川洋治著
[レビュアー] 産経新聞社
国内外の小説や古典・詩歌・批評などの文庫100冊について、文庫愛好歴60年の現代詩作家が執筆した書評、エッセー、巻末解説などを収録。文庫化の経緯や作者の横顔も紹介する。
「近代日本最初の傑作」(尾崎紅葉『多情多恨』)、「読書とは何かを知るためにはこの本しかない」(ショーペンハウアー『読書について』)などと評価と味わいを伝える。著者は、文庫の魅力を「(単行本を経て)安心して向き合える」「紙の感触もいい」「しっかり読んだ。そんな気持ちになる」という。見事なガイドで読みたくなる作品が多く、それらが文庫で読めるというのもうれしい。(中公文庫・990円)