『大東亜戦争秘録』早坂隆著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

大東亜戦争秘録――掻き消された市井の人たちの生きざま、死にざま

『大東亜戦争秘録――掻き消された市井の人たちの生きざま、死にざま』

著者
早坂 隆 [著]
出版社
扶桑社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784594094171
発売日
2023/08/04
価格
2,200円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『大東亜戦争秘録』早坂隆著

[レビュアー] 産経新聞社

先の大戦の知られざる10のエピソードを当事者らに取材し、掘り起こしたノンフィクション。例えば「樺太看護婦集団自決事件」だ。

日本の領土だった南樺太では8月15日以降もソ連軍との地上戦が続き、電話交換業務を続けた女性たちの集団自決が知られているが、実は看護婦の集団自決もあった。著者は生存者の証言のほか、自決の背景として「彼女たちの脳裡には(ロシア極東で日本の守備隊や居留民が虐殺された)尼港(にこう)事件があった」とソ連軍への恐怖心を指摘する関係者の声も紹介する。

平成25年刊行の単行本が版元を変え改訂の上で再刊。鎮魂の季節に読みたい。(育鵬社・2200円)

産経新聞
2023年8月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク