『大坂城をめぐる人々』
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『大坂城をめぐる人々』北川央(ひろし)著
[レビュアー] 産経新聞社
戦国武将から「大坂夏の陣図屏風(びょうぶ)」に描かれた庶民まで、有名無名を問わず多様な人々の人生に光を当て、大坂城にまつわる史実を多角的に描く。
上杉景勝とその重臣・直江兼続の主従関係、豊臣秀頼の右筆(ゆうひつ)だった大橋龍慶が徳川秀忠・家光に仕えた経緯…。とりわけ織田信長の妹、お市の方と娘たちの人生は波乱に満ちている。豊臣秀頼を産んだ長女の茶々と、秀忠の正室となった三女の江は大坂の陣で心ならずも敵対する。元大阪城天守閣館長が、運命に翻弄された人々の事跡を紹介し、その人物像を読み解いた。大坂城の起伏ある歴史が胸に迫る。(創元社・2750円)