『江戸のフリーランス図鑑』
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『江戸のフリーランス図鑑』 飯田泰子著
[レビュアー] 産経新聞社
行き交う人々にものを売り歩く「出商人(であきんど=行商人)」や芸を披露する大道芸人ら、江戸時代に程度の差はあれ自分の裁量で働いていた人々を現代風に〝フリーランス〟と呼び、まとめた一冊。江戸後期の風俗誌『守貞謾稿(まんこう)』などから選んだ図入りで詳しく紹介している。
真夏の街角は冷水売りにスイカ売り、虫売り、天ぷら屋台で大にぎわい。日用の道具や衣服も路上で販売され、中古品を修理して売るリサイクルのシステムも確立されていた。盛り場では曲芸や手品から怪しげな見せ物まで、パフォーマーが大集結。人々のたくましさ、活力が伝わってくる。(芙蓉書房出版・2530円)