ととのうだけじゃない!ビジネスに効く「オフィスサウナ」の6つのメリット

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医者が教える 究極にととのう サウナ大全

『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』

著者
加藤 容崇 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478117507
発売日
2023/07/27
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ととのうだけじゃない!ビジネスに効く「オフィスサウナ」の6つのメリット

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

医者が教える 究極にととのう サウナ大全』(加藤容崇 著、ダイヤモンド社)の著者は日本サウナ学会代表理事という肩書もお持ちですが、もともとはちょっと違ったスタンスにあったようです。

実は、数年前まで私は「サウナブームをいぶかしく思っているタイプ」でした。2018年当時、少しずつサウナが注目を集め始めていましたが、「何がそんなにいいのだろう?」と。

ましてや「ととのう」だなんて、怪しすぎると……。(「はじめに」より)

「ととのう」ということばについての思いは私も同じですが、ともあれ肯定的であったとはいい難かったわけです。しかしいまではサウナが大好きで、その魅力を日々かみしめているのだといいます。でも、なぜそんなに変わったのでしょう?

その理由はすべて「入り方」にあります。

以前の私は間違った入り方をしていたせいで、サウナの真のパワーを全く享受できていなかったのです。(「はじめに」より)

そこで、2020年の『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)以降も「サウナを科学的に解明する努力を重ねてきた著者は、その結果を本書であますことなく公開しているわけです。

そのなかから、きょうはCHAPTER 5「生活が『ととのう』入り方」内の「経営者はサウナを利用すべし? ビジネスに効く『オフィスサウナ』」に注目してみたいと思います。

サウナとビジネスは相性がいい?

社員向けにサウナの講習会を開催したり、サウナでミーティングをしたり、オフィスにサウナがあったりと、サウナを活用する企業が増えているのだそうです。仕事中にサウナとは意外すぎる話ですが、じつはサウナとビジネスは相性がいいというのです。

事実、経団連やJAL、三井物産などから「サウナと健康について語ってほしい」という依頼があるなど、著者のもとにも企業からの講演依頼がよく届くのだとか。どうやらそれは、メンタルダウン対策や社員のパフォーマンス維持のために、大企業がサウナに関心を抱いている証であるようです。

著者もまた、サウナとビジネスの相性のよさを実感しているといいます。なぜならオフィスにサウナがあると、従業員に多くのメリットがあるから。

その理由を確認してみましょう。(170ページより)

サウナがビジネスに効く6つの理由

1:サウナ後の脳は「瞑想をした状態」に近い

サウナに入ったあとには、脳に次のような変化が起こるのだそうです。

□DMN(デフォルト・モード・ネットワーク。脳が意識的に活動していないときに働く脳回路。とりとめのないことが頭のなかを駆け巡っている状態で、脳の70〜80%のエネルギーが奪われることに)消費量が減る→脳疲労が取れる

□α波が正常化する→集中力が上がる

□右頭頂葉の一部にβ波が増加する→アイディアが浮かびやすくなる

□デルタ波が低下する→覚醒度が上がる

□頭頂連合野が活性化する→感覚が研ぎ澄まされてゾーンに入る

(170ページより)

つまり、瞑想をした状態に近くなるということです。ご存知のとおり瞑想やマインドフルネスは、Googleやインテル、米国防総省なども研修として取り入れているポピュラーな方法。しかしコツや慣れが必要で、初心者は効果が低いことも報告されているといいます。そう考えると、「入るだけで瞑想効果を得られるサウナ」に企業が注目するのは非常に合理的だといえるわけです。(170ページより)

2:ストレスが軽減する

交感神経と副交感神経を大いに刺激することにより、極上のリラックス効果が得られることに。

3:欠勤率が29%減少

サウナなど温冷浴によって風邪にかかりにくくなり、欠勤率が29%下がることが報告されているそうです。

4:血色がよくなって好印象を与える

サウナに入ることで血液循環が促進されるそう。そのため健康そうではつらつとした印象を相手に与えることができ、交渉の場でも有利に働くことが期待できるようです。

5:健康への効果

サウナには心臓病や高血圧、認知症などの病気の予防にも効果が。そのため会社としては有能な社員を守ることができますし、働く側からしても、健康であることは人生を謳歌する土台となるはず。

6:強いチームができあがる

オフィスにサウナがある場合、従業員同士の交流が増えることも期待できます。サウナに入ることで、各自のスキルや能力、経験などがシェア・拡大され、目標を達成できる強いチームを築くことができるようになるわけです。(以上170〜172ページより)

サウナで業績アップ?

著者いわく、サウナとビジネスの相性のよさを見抜き、サウナを活用する企業が少しずつ増えてきているそう。たとえば名古屋にあるエンジニアリング企業の「タマディック」には、『LUOVA Sauna』という本格的なサウナがあるそうです。

アイウェアブランドの「JINS」も、2023年の本社移転に伴って、「せっかく自社ビルをつくるなら、みんなが集まる理由がほしい」ということからサウナを設置。ミーティングにも使える6人用と、集中できるソロサウナが用意されているというのですから驚くばかり。

また文房具などでおなじみのコクヨもサウナ部を発足し、コワーキングスペースをサウナ(スカイスパYOKOHAMA)につくって、ミーティングを行ったりしているようです。このように、サウナをビジネスに活かす企業は今後も増えていくだろうと著者は予測しています。(172ページより)

これほど詳しく本格的に、さまざまな研究結果を踏まえつつ、サウナの効能や取り入れ方を指南した書籍は他にないだろうと著者は自負しています。サウナを活用して健康をととのえ、人生をよりよいものにするため、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: ダイヤモンド社

メディアジーン lifehacker
2023年9月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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