コンパクト or 手のひらサイズ、相手に伝わるのはどっち?「売れる言い換え言葉」活用術

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

「ふ~ん」が 「これ欲しい!」 に変わる 売れるコピー言い換え図鑑

『「ふ~ん」が 「これ欲しい!」 に変わる 売れるコピー言い換え図鑑』

著者
大橋 一慶 [著]
出版社
ワニブックス
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784847073274
発売日
2023/09/22
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

コンパクト or 手のひらサイズ、相手に伝わるのはどっち?「売れる言い換え言葉」活用術

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

SNSやブログ、ウェブサイト、メール、LINE、チラシなどのために文章を書く際、「どうしたら、もっとたくさんの人に読んでもらえるんだろう?」と悩んだ経験がある方も少なくないはず。そこでご紹介したいのが、「セールスコピーライター」である著者による『売れるコピー言い換え図鑑』(大橋一慶 著、ワニブックス)です。

“売れることばづくりの専門家”である著者は、ことばに関するさまざまな悩みを解決してきたという人物。本書でも、自身の商品やサービスの魅力が伝わるような“言い換え言葉”を明らかにしているわけです。

ただし、最初に伝えておきたいことがあるのだとか。

この本を読んでも、売れる言い換え言葉は、100個しか手に入りません。

売れる言葉の表現集を期待している方からすれば、少なすぎますよね。

でも、この本は、売れる言い換え言葉を、コレクションするための本ではありません。売れる言葉を、どのように生み出せば良いのか? その考え方や、アイデアを手に入れる本です。(「はじめに」より)

カテゴリーに分けて紹介されているのは、“売れる言い換え言葉”とその考え方。まずは気になるカテゴリーから読みはじめ、ひとつの言い換え表現を確認したら、「私なら、どうやって表現すればよいのだろう?」と考えてみようと著者は勧めています。

つまり、「読む→ 考える」というプロセスを楽しみながら繰り返せば、やがて売れることばを生み出す能力が身につくというわけです。きょうはそのなかから、第5章「商品特徴を、もっと魅力的に伝える」に注目してみましょう。

価値を伝えるためには?

おどろくほどコンパクトなスピーカー

(“読み手が知っているモノ”で、サイズや重さ、量を表現)

ポケットに入るスピーカー

(74ページより)

商品の「サイズ」「重さ」「量」を特徴として伝える際のポイントは、読み手が知っているモノで表現すること。そうすれば、その価値が伝わりやすくなるわけです。

次の4つの例を比較してみましょう。

① 縦9cm、横7cmなので、とても小さい → 手のひらサイズ

② とにかくデカいステーキ肉 → 顔よりデカいステーキ肉

③ 17gなので、とても軽い → 消しゴムとおなじぐらいの軽さ

④ ビタミンC100mg配合 → レモン約50個分のビタミンC配合

(75ページより)

いずれも後者のほうが「どれくらいのサイズなのか」「どれくらいの重さなのか」「どれくらいの量なのか」をイメージしやすいのではないでしょうか?

とくに身体の一部や、読み手が使ったことのあるもの(食べたことがあるもの)で表現すると、実感が湧きやすくて効果的だそう。(75ページより)

ベネフィットを添える

完全予約制

(ベネフィットを添えれば、特徴の価値が2倍伝わる)

完全予約制(待ち時間0分)

(84ページより)

特徴は、ベネフィット(利益や恩恵)を叶える理由のひとつ。いいかえれば、それぞれの特徴はなんらかのベネフィットにつながっているということです。

たとえば小型パソコンデスクの特徴が、「天井板の高さが50〜90cmの間で調整できる」ことと「キャスター付き」だったとします。どちらも一般的ではありますが、これらの特徴がもたらすベネフィットを添えれば、もっと魅力的に価値が伝わるわけです。

・天井板の高さは50cm〜90cmの高さで調整可能(デスクワークだけでなく、ソファー用のサイドテーブルとしてもご利用いただけます。キャスター付きなので移動もらくちん)。(85ページより)

特徴からベネフィットを見出すために、著者は「ということはつまり法」をすすめています。商品特徴をひとつ挙げ、「ということはつまり、お客様はどうなるの?」と質問を繰り返すということ。そうすれば、いろいろなベネフィットが見つかるわけです。(85ページより)

速度が伝わる表現をする

お手続きはオンラインでサクッと完了

(具体的な時間を表現しなければ、スピード感は伝わらない)

お手続きはオンラインでたったの3分

(86ページより)

特徴として「スピード感」を伝えるときには、「いますぐ」「すぐに」「サクッと」などのことばだけだと、いまひとつその価値が伝わりにくいもの。大切なのは、“速度が伝わる表現”をすることだといいます。

・今すぐお届けします → 30分以内にお届けします

・すぐに修理スタッフが駆け付けます → その日のうちに修理スタッフが駆け付けます

・サクッとわかる行動経済学 → 7分でサクッとわかる行動経済学

(87ページより)

また、「乗り継ぎだと3時間ですが、直行便なら1時間」というように、通常かかる時間や手間を同時に語れば、さらに「スピード感」が伝わるそうです。(86ページより)

ことばの力によって自分の努力や情熱が正当に認められ、商品やサービスがより多くの人に伝わるなら、それは素晴らしいこと。

ことばでビジネスをより快適なものにするために、本書を活用してみてはいかがでしょうか。

Source: ワニブックス

メディアジーン lifehacker
2023年10月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク