【気になる！】新書『五代友厚』　橘木俊詔著

渋沢栄一と並び称される明治の経済人、五代友厚（１８３６～８５年）。幕臣上がりで東京商工会議所を創設した渋沢に対し、薩摩藩士から新政府官僚を経て大阪商工会議所の初代会頭となった五代は、維新後に陰りが見えた大阪を東京と並ぶ近代的商都として再興させ、「大阪の恩人」と呼ばれた。渋沢と対比させる形でその生涯を描き出す。

４９歳で没した五代は、長命な渋沢と比べ関係した企業数は少ないものの、鉱山開発や精錬業など、製造業の振興を重視した点に特徴があるという。「政商」とする通説に異議を唱えた近年の研究も紹介し、五代の再評価を図る。（平凡社新書・１０３４円）

• 橘木俊詔
• 平凡社
• 産経新聞社
• 五代友厚: 渋沢栄一と並び称される大阪の経済人

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