【手帖】柳原良平の仕事を回顧

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 昨年8月に死去した名イラストレーターの仕事をまとめた『柳原良平の仕事』(玄光社・2000円+税)が「イラストレーション別冊」として刊行されている。ウイスキーのテレビCMに登場するキャラクター「アンクルトリス」の生みの親として知られる柳原は、イラストの仕事のほかにも、漫画家、アニメーション作家、エッセイストなどいくつもの顔を持ち、半世紀以上第一線で活躍した。

 「初の仕事集」には、生涯に手がけた膨大な作品が収められている。遠藤周作や山口瞳のエッセー集の明るく軽やかで粋な装丁の数々。ユーモアたっぷりの絵本、「ピカロじいさん」「サラやん」をはじめとする新聞連載漫画。アンクルトリスの灰皿やコースターといったグッズなど900点以上の図版を掲載。多彩な仕事ぶりをたどることができる。

 柳原は昭和6年、東京生まれ。美大を卒業後に入社した壽屋(現・サントリー)の宣伝部で開高健や山口瞳とともに働いた。同社制作のPR誌『洋酒天国』に掲載したイラストが人気を呼んだ。

 8歳のころから船の絵はがきを集めていたほどの船好きだったという。ライフワークとして取り組んだ題材が船だった。船についての著書も多数あり、あまたの船を切り絵などで制作した。のんびりと大海に浮かぶ豪華客船はなんともおおらか。巻末の年譜には、15歳の時に仲間と編集した機関誌「船」などの表紙写真も収録されていて、貴重な記録となっている。

産経新聞
2016年1月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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