稲垣吾郎「男としてもなんかわかるなあ」直木賞受賞作『つまをめとらば』を絶賛

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 SMAPの稲垣吾郎さん(42)が司会を務める「ゴロウ・デラックス」2月26日の放送に、恒例となっている芥川賞・直木賞受賞者が出演した。『死んでいない者』(文藝春秋)で第154回芥川賞を受賞した滝口悠生さん(33)と、同じく芥川賞を『異類婚姻譚』(講談社)で受賞した本谷有希子さん(36)。そして『つまをめとらば』(文藝春秋)で第154回直木賞を受賞した青山文平さん(67)の三人が揃って登場した。

 三人ともに今回が初ノミネートではなかったという。青山さんは2度目、滝口さんも2度目、本谷さんに至っては4度目の候補だった。青山さんははじめて候補になったと知らせを受けた時のほうが、受賞した時よりもうれしかったと語った。本谷さんは担当編集者に「今回は取れないから浮かれない方がいい」と言われたことを明かし、受賞会見に着て行く洋服も決めていなかったという。そのため会見には左右ちぐはぐの靴下をはいてきてしまったと明かされた。稲垣さんが「普通左右いっしょに箪笥に仕舞っておきませんか?」と疑問を投げかける一幕もあった。

 青山さんの『つまをめとらば』の一節を朗読した稲垣さんは、「いいですね、この会話が」と格調高くも親近感の湧く文章にほれぼれした様子だった。同作は江戸時代後期の平和な時代を舞台に、人生に迷う武家の男と、身一つで生きる女性を描いた一作。青山さんは「今の時代と同じにするためにこの時代を選んでいる。この時代は今とそっくり。バブルの後でキーワードがない時代だ」と時代小説でありながら現代の読者が読んでも親近感を持つ理由を解説した。稲垣さんは「だからすっと入れましたよね、男としてもなんかわかるなあ」と語り、描かれる女性の逞しくも美しい姿に「青山さんもこの本もすごいフェミニスト」と絶賛した。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:41から放送中。

Book Bang編集部
2016年2月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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