朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』の続発するパロディについて語る

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 お笑いコンビオードリーの若林正恭さん(37)が司会を務めるBSジャパンの番組「ご本、出しときますね?」(4月22日放送回)に芥川賞作家の長嶋有さん(43)と直木賞作家の朝井リョウさん(26)が出演した。朝井さんのデビュー作『桐島、部活やめるってよ』(集英社)のタイトル決定秘話が語られた貴重な放送となった。

■エゴサーチしてますか?

 毎回視聴者からの質問に作家が赤裸々に答えるのがこの番組の面白さの一つ。まず「エゴサーチしていますか?」とのお題が出され、朝井さんは「めちゃめちゃしてたんですけど、飽きた」と告白。しかし著作名や出演した番組名で検索すると「『顔きもい』とか何の関係もない悪口をシャットダウンできる」と語った。長嶋さんはTwitter限定で検索をしており、うれしかった感想として「(作品の章タイトルの文字数へのこだわりがあり)悦に入ってるのは俺一人だったんだけど、『さすがだ』と書かれていた」と読者に思いが伝わっていることを喜んだ。

■怒っている読者が嬉しい

 朝井さんは嬉しかった感想として「怒っている読者。自分のなかの大切なものを乱されているから怒っている。共感しましたという人は、あまり(その人の)思考回路を働かせることができなかった」と語った。若林さんに「朝井君は自分の狙いと違う感想が出たら嫌なんだよね?」と尋ねられると、「(作品のなかに)一通りの読み方を導けるようにヒントを入れている。自由な読み方をしていいよと出来ない」とこだわりを打ち明けた。

■『桐島、部活やめるってよ』はこうして決まった

 また「タイトルはどうやってつけるのか」というお題では、朝井さんのデビュー作『桐島、部活やめるってよ』のタイトルを決める際の逸話が語られた。非常にインパクトのあるタイトルで芸人の大喜利に使われたり、週刊誌で「鳩山、県外移設やめるってよ」などとパロディーされることに関し「ありがたい」と朝井さんは頭をさげる。もともと連作短編として書いており、大タイトルがなかった作品で、長編の応募の際に本編の1行目をタイトルにした、と明かされた。

■名言が続々飛び出す

 その後も「タイトル会議について」や「嫉妬する作家はいますか」など貴重なトークが展開され、二人の独自ルールも明かされた。また朝井さんの持論「マーケティングしない」「高齢者を安心させる話が売れる」や長嶋さんの「本棚でその人の個性がわかるは嘘だ」「センスがないお土産でも飾る人が好き」などの名言も飛び出した。ネット上では今回の放送に対して「腹抱えて笑った」や「ほんと貴重な番組」「朝井君が面倒くさそうでいい」と本好きにはたまらない番組との評で溢れている。また番組最後には長嶋さんが「エゴサーチにまつわる作品」として『あなたを選んでくれるもの』ミランダ・ジュライ[著](新潮社)を薦めた。同番組の最新の放送回はBSジャパンのウェブサイト(http://www.bs-j.co.jp/gohon/index.html)でも無料配信されている。

 文筆系トークバラエティ「ご本、出しときますね?」はBSジャパンにて毎週金曜よる11時30分から放送中。

Book Bang編集部
2016年4月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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