女優・中江有里「活版印刷には手作りの言葉が込められている」心がほっとする3冊を紹介
テレビ・ラジオで取り上げられた本
7月13日放送のNHK総合「ひるまえほっと」に女優で作家・書評家としても知られる中江有里さん(42)が出演し、月に1度の「ブックレビュー」コーナーで3冊の本を紹介した。
この日中江さんが紹介したのは、暑い夏でも心がほっとするような以下の3冊。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』ほしおさなえ[著](ポプラ社)
『ことばは光』福島智[著](天理教道友社)
『世界の果ての愛らしい子どもたち』ピーター・ガットマン[著](エクスナレッジ)
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』、『ことばは光』、『世界の果ての愛らしい子どもたち』
■温かみのある活版印刷
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』は昔ながらの活版印刷所を舞台にした感動の一冊。廃業して空き家になっている活版印刷所に、ある日孫娘が住み始める。昔ながらの手作業に興味を抱いた人たちの依頼で、店は再開。作業を通じた人々のふれあいを描いた連作短編小説。作中で印刷されるのはレターセットやコースター、しおりなど小規模なもの。中江さんは「活版印刷には手作りの言葉が込められていて、作る人、贈る人それぞれの言葉に寄り添うような非常に温かい短編集」だと薦めた。
■光と音を失った著者のエッセイ
『ことばは光』は「盲」と「ろう」の二重障害を抱えながら大学教授となった著者のエッセイ集。9歳で失明18歳で失聴した福島さん。しかし母親の考えた指点字という「ことば」によって光がもたらされる。母親や友人、恩師の言葉に導かれ絶望を希望に変えて生きる姿に中江さんは「世界から閉ざされているわけではなく、相手を知りたいという気持ちさえあればお互い歩み寄ることができるんだ」と非常に胸を打たれる一冊だと紹介した。
■愛らしい子どもたち
『世界の果ての愛らしい子どもたち』は世界220カ国以上を旅した写真家が撮りためた世界の子どもたちを収録した写真集。多種多様な風景のなかで活き活きと育つ子どもたちの表情を、色彩豊かな風景とともに紹介している。中江さんは「子どもたちの目が本当に澄んでいて、かわいい。どの子も非常に好奇心が旺盛で生命力に満ち溢れていることがどの写真を見ても感じられる」と優しく頬笑みながら紹介し、写真集の温かさが伝わってきた。
番組司会の島津有理子アナウンサー(42)は今回の3冊について「やっぱり人は、ほかの人と関わり合いながら成長していったり、困難なことがあっても一歩踏み出す勇気が持てたりするんだなと気づきました。どれも本当に読後、心が温まるような本でした」と感想を述べると、中江さんも「本を通して人と人のふれあいをもう一度見つめ直すのもいいかなと感じた」と振り返った。
「ひるまえほっと」はNHK総合で月曜から金曜11:05からの放送。「ブックレビュー」コーナーは月に1度放送される。
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