女優の杏 無人島にただ一つモノを持って行けるなら……

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。8月28日の放送では「去りゆく夏と青春小説」と題し、2人はどちらも少年たちが主人公となった小説を紹介した。

■格差もしっかりと描いた高校野球小説

 杏さんは「青い空、白い球、光る汗!」と『ひゃくはち』早見和真[著](集英社)を取り上げた。「去りゆく夏と青春と言ったら高校野球ですよ」と杏さんが言うように、同書は名門高校野球部を舞台にした一冊。タイトルになっている「ひゃくはち」は煩悩の数でもあり、野球のボールの縫い目の数でもある。煩悩にまみれた高校球児たちの友情や恋愛、酒・煙草等の悪いことなど「男同士のわちゃわちゃってのがぎゅっと詰まった一作」と紹介した。主人公たちは寮生活をしており、「煮詰まった感じがすごいんですよ」と笑いながら、自分とはかけ離れた世界だけどいいな、と思ったと少年たちの青春の風景に憧れをあらわした。

 また杏さんは「さらにいいのが主人公は補欠なんですよ」と設定を賞賛。同作は少年の世界ながらも、スポーツという実力差による格差のある世界を描いている。「昨今の教育では平等が謳われるが、社会に出たら違いますからね」と格差をしっかりと描くリアルな設定ゆえに、「大人が読んでも頑張れと思えるし、過ぎ去ったものとして捉えずに読める」と解説した。

■椎名誠父娘が訳した名作

「誰もが知っているけれども、誰も体験したことのないお話」と『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ[著](新潮社)を紹介。同作はこれまでに様々なかたちで出版されてきているが、大倉さんが選んだのは2015年に小説家の椎名誠さんとその娘、渡辺葉さんが共訳した版。

 嵐の夜に15人の少年たちだけを乗せた船は孤島へと流されてしまう。彼らは生き抜くために団結し、ときには戦い、食糧や安全の確保に努力を重ねる。大倉さんは「これがもう心沸き立つような、ひとつひとつのエピソードがこんなに面白かったの?!となった。子供向けなのに大人のほうが喜ぶんじゃないのというくらい面白かった」と絶賛した。

 2人は無人島でのサバイバル生活を話題にし、ただ一つモノを持って行けるのならば、との質問に答え合った。大倉さんは「鉛筆」。杏さんは「本と言いたいところだけど、ペンとノートかな」とどちらも筆記用具をあげた。

 また3週連続のゲストで今週が2週目のモデル・タレントのラブリさんは『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン[著](あすなろ書房)を紹介。また千駄木の往来堂書店店長・笈入建志さんが『ちっちゃいさん』イソール[著](講談社)を紹介した。

「BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年8月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク