篠山紀信が激写した「山口百恵の最高傑作写真」撮影秘話を明かす[ゴロウ・デラックス]

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 稲垣吾郎さん(43)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に15日、写真家の篠山紀信さん(76)が出演した。篠山さんがこれまでに写した、山口百恵、ジョン・レノン、三島由紀夫ら、多くの著名人との撮影秘話を明かした。

■三島由紀夫と「男の死」をテーマに撮影

 1970年篠山さんは、三島由紀夫を被写体に「男の死」をテーマにした幻の写真集を撮影していた。そのなかの1枚としてスタジオで篠山さんが披露したのは、木に縛り付けられ、身体に矢を受けた三島由紀夫を写した1枚。それはキリスト教の聖人、聖セバスティアヌスの非業な死を描いた聖画「聖セバスチャンの殉教」とそっくりのポーズだった。同様に死をテーマにした撮影を十数シーン撮り、その最後の撮影の1週間後、三島は自衛隊市ヶ谷駐屯地に乗り込み、割腹自殺を遂げた。

 篠山さんは「本当に死ぬなんて思わなかった。全く素振りがなかった」と当時の三島の様子について語る。その写真は画が残酷なため発売はできなかったという。そして写真家は死に立ち会わざるをえない、と語る。「考えてみれば写真って、死んでいく時を記録しているだけ。撮った瞬間に過去じゃないですか。やっぱり写真と死は関係がある」と解説した。稲垣さんはそれを受け、「なんだったんだろうね。この表情の向こうで何を考えてたんだろう」と感じ入った様子だった。

■芸術から芸能写真家へ


『オレレ・オララ』(集英社)

 1971年篠山さんが30歳のとき撮影し、写真家人生を変えた一冊と語るのが『オレレ・オララ』(集英社)。それまで芸術写真を撮っていた篠山さんは、リオのカーニバルを撮影するためにブラジルに出向いた。4日間踊り続けるサンバの列を前にして、最初は戸惑ってはいたものの、ふと自分も踊りながら入っていったという。するとそこで踊っている人たちが「(こちらが)受け入れてしまえば、パっと空いて受け入れてくれる」という経験をした。

 その経験から「僕自身で考えて力づくで何かを作り上げるという写真はやめよう」と思い直したという。「世の中に起こっている面白い人・事・物のところに行って、一番いいタイミングで一番いい角度で撮る。それが一番いい写真なんじゃないか」と考え「芸術写真家」から「芸能写真家」になったと転機となった出来事を明かした。

■山口百恵最高傑作を撮った秘策とは

 1977年篠山さんは山口百恵を撮影し、あの有名な最高傑作を激写した。山中湖の湖畔で撮影されたその一枚は、夕日の逆光が射すなか、沈みかけたボートの上に身体を横たえた山口百恵がアンニュイな表情を浮かべている。その写真について稲垣さんは「すごいですね、綺麗!」「何か人形のようにも見えるし、絶妙ですよね足とか水滴」と絶賛していた。

 この有名な写真や、そのときの山口百恵の表情について篠山さんは「どうやって撮ったのか、なんと言えばこういう表情をするんですか」とよく聞かれるという。実はそのとき山口百恵は「イミテーション・ゴールド」などで人気の絶頂にあり、一番忙しく売れているときだった。篠山さんはそこで「GORO」など、3誌分の撮影をまとめてしたという。プールで泳いだりご飯を食べたりと、長い撮影の果てにこの写真は撮られ、「単に百恵さんは疲れていたんだと思う」と冗談めかして解説しスタジオを沸かせた。

 また篠山さんはジョン・レノンが殺害される前に出した最後のアルバムジャケットの撮影秘話も語った。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は9月21日。ゲストは阿川佐和子さん。課題図書は『バブルノタシナミ』(世界文化社)。

Book Bang編集部
2017年9月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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