【話題の本】『近代絵画史』高階秀爾著

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 ■美術書の名著がカラー版に

 昭和50年の初版刊行以来、上下巻で累計30万部を突破。手に取りやすい新書で近代絵画史を概観できる名著が、このほどカラーの増補版で生まれ変わった。「近代の西欧絵画の基礎的知識を身につけられる、最良の入門書であり、中公新書になくてはならないロング&ベストセラー」と中央公論新社の担当編集者、吉田亮子さん。

 本書が扱うのはゴヤからモンドリアンまで、つまり19世紀前半から第二次世界大戦までの150年間。一般的に絵画の近代は19世紀後半のマネ、および彼に続く印象派に始まるとされるが、西洋美術史の泰斗である著者はあえて、印象派という「革命」をもたらした要因を半世紀さかのぼるロマン主義運動として語り起こしている。シュルレアリスムや抽象絵画など混沌(こんとん)として見える20世紀絵画も、印象派で頂点を極めた写実主義を想像力で乗り越えようとする試みだととらえると理解しやすい。

 最近はカラー図版とともに作品をわかりやすく解き明かした美術書が数多く出ているが、歴史の流れをつかめる本は意外と少ない。「カラーで読みやすくなることで、多くの新しい読者を獲得できれば」と吉田さんは期待している。(中公新書・上840円+税、下860円+税)

 黒沢綾子

産経新聞
2017年9月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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