太宰治『斜陽』の生原稿、夏目漱石・石川啄木の書簡など発見 11月に一般公開

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太宰治「斜陽」の生原稿
太宰治「斜陽」の生原稿

 太宰治の小説『斜陽』の直筆原稿4枚や夏目漱石の自画像入りの絵葉書など30点余りの資料を新潮社元会長・佐藤俊夫の遺品の中から発見したと、新潮社が発表した。

 新資料は上記のほかに、完成稿とはまったく違う書き出しから始まる二葉亭四迷「其面影」の草稿や菊池寛が久米正雄と芥川龍之介へ宛てたハガキ、石川啄木の書簡、谷崎潤一郎のマゾヒズム小説「続蘿洞先生」、島崎藤村の代表作「ある女の生涯」、佐藤春夫「美人」の生原稿、菊池寛が佐藤義亮(新潮社初代社長)に広津和郎へ金を貸してやってくれと依頼する書簡などが発見された。

 太宰治『斜陽』の原稿は日本近代文学館に寄贈されているが、6枚の欠損があり、その内の4枚が見つかった。夏目漱石については、明治38年「吾輩は猫である」の執筆中に、五高時代の教え子に出した絵葉書、「倫敦消息」「池辺君の史論に就て」の原稿、雑誌「新潮」の〈理想の書斎は?〉という問いに答えたアンケートが見つかっている。

 また、新資料は11月22日から東京・神楽坂にあるキュレーションストア〈la kagu〉にて一般公開される。

2017年10月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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