宮崎アニメに漫画化も「君たちはどう生きるか」が注目を集めるわけ

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 10月31日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 ノンフィクション・教養書他第1位は『漫画 君たちはどう生きるか』が獲得した。
 第2位は『友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」』。第3位は『生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉』となった。

『漫画 君たちはどう生きるか 』は先週7位から1位にランクアップ。1937年に書かれた吉野源三郎の名著の漫画化作品だ。内容は中学生の少年が叔父に導かれながら、精神的な成長を遂げる物語。少年の体験を通して「人としてどうあるべきなのか」を考えさせられる啓発書となっている。

 原作に関連して、10月30日アニメーション監督の宮崎駿さんが製作中の新作長編のタイトルが「君たちはどう生きるか」になると報じられ大きな話題となった。新聞各社が報じたところによると、この本が映画の主人公にとって大きな意味を持つという。

 漫画版の公式Twitter(@kimitachimanga)では「こんな奇跡があるとは!!!!!」と映画のテーマとなることを驚いた様子でツイートしている。しかし漫画化と宮崎アニメでのテーマ化が同時に進行していたのは、果たして偶然だったのだろうか。同書のなかで叔父は、偉人の言動をなぞるだけではなく、常に自分の体験から出発し、自分の頭で考えることが大切だと述べている。また貧富の格差のある社会のなかでも、お互いに手分けして社会を支え合う仲間であるため、好意を尽くして関係を築くべきだと説く。この本を読んで感銘を受けてきた識者たちは、一様に現代に満ちる狭量で重苦しい空気を感じとり、同書に光をあてなければならないという危機感を持った。それが「奇跡」を必然的に導いたのではないだろうか。

1位『漫画 君たちはどう生きるか』吉野源三郎[原作]羽賀翔一[画](マガジンハウス)

人間としてあるべき姿を求め続けるコペル君とおじさんの物語。出版後80年経った今も輝き続ける歴史的名著が、初のマンガ化!(マガジンハウスウェブサイトより抜粋)

2位『友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」』山中伸弥[著]平尾誠二・惠子[著](講談社)

2010年、雑誌の対談で初めて出会った二人は急速に仲良くなり、やがて親友と呼べる関係になった。出会ったときはすでに40半ばを過ぎ、二人とも超のつく有名人。でも、そんなことは一切関係なく、ただ気のあう男同士として酒を酌み交わし、家族ぐるみで食事を重ねた。こんな関係がずっと続けばいい――。お互い口に出さずともそう思っていた矢先、友・平尾誠二に癌が宣告される。山中伸弥は医師として治療法や病院探しに奔走。体調は一進一退を繰り返すが、どんなときも平尾は「先生を信じると決めたんや」と語る。そして、永遠の別れ。山中は「助けてあげられなくてごめんなさい」と涙を流した。大人の男たちの間に生まれた、知られざる友情の物語。(講談社ウェブサイトより)

3位『生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉』日野原重明[著](幻冬舎)

「人間は弱い。死ぬのは僕もこわいです。」105歳の医師、日野原重明氏が、死の直前まで語った、希望と感謝の対話20時間越。最後の力を振り絞り伝えたかった言葉とは。生涯現役、渾身最期の一冊。(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『九十歳。何がめでたい』佐藤愛子[著](小学館)

5位『君たちはどう生きるか』吉野源三郎[著](マガジンハウス)

6位『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』西原理恵子[著](KADOKAWA)

7位『夫の後始末』曽野綾子[著](講談社)

8位『Black Box』伊藤詩織[著](文藝春秋)

9位『JAPAN CLASS ニッポンよ、お前さんはいっつも……』ジャパンクラス編集部[編](東邦出版)

10位『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』小川榮太郎[著](飛鳥新社)

〈単行本 ノンフィクション・教養書他ランキング 10月31日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2017年11月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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