「自分以外は全員他者と思うことが重要」又吉直樹が「世界一受けたい授業」で紹介し大反響『友だち幻想』

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 4月21日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『極上の孤独』が獲得した。
 第2位は『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』。第3位は『自分のことだけ考える。 無駄なものにふりまわされないメンタル術』となった。

 4位以下で注目は2位にランクインした『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』。2016年に亡くなった社会学者の菅野仁さんが2008年に著した一冊。誰もが悩む人と人との関係性について解説し、他者との距離のとり方を明快に指南する内容となっている。菅野さんは例え友達だとしても「全てを受け入れてくれる」という思いは自己中心的な願望にすぎず、相手の異質性も受け入れたうえで親密性を築くにはどうしたらよいのか、親しさを作り上げていくにはどのような距離感で臨めばよいのか、丁寧にわかりやすく説いている。

 同書は10年前に出版された新書ながら、4月14日に放送された「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でお笑い芸人で作家のピース・又吉直樹さんが紹介して話題となった。又吉さんは周囲から浮いていた子供時代のエピソードを語りながら、同書を紹介。「自分以外は全員、他者と思うことが重要」という記述に感銘を受けたと語った。

■新書 ノンフィクションランキング

1位『極上の孤独』下重暁子[著](幻冬舎)

現代では「孤独=悪」だというイメージが強く、たとえば孤独死は「憐れだ」「ああはなりたくない」と一方的に忌み嫌われる。しかし、それは少しおかしくないか。そもそも孤独でいるのは、まわりに自分を合わせるくらいなら一人でいるほうが何倍も愉しく充実しているからで、成熟した人間だけが到達できる境地でもある。「集団の中でほんとうの自分でいることは難しい」「孤独を味わえるのは選ばれし人」「孤独を知らない人に品はない」「素敵な人はみな孤独」等々、一人をこよなく愛する著者が、孤独の効用を語り尽くす。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』菅野仁[著](筑摩書房)

「みんな仲良く」という理念、「私を丸ごと受け入れてくれる人がきっといる」という幻想の中に真の親しさは得られない。人間関係を根本から見直す、実用的社会学の本。(筑摩書房ウェブサイトより)

3位『自分のことだけ考える。 無駄なものにふりまわされないメンタル術』堀江貴文[著](ポプラ社)

勇気を与える、ホリエモン初のメンタル本。「思い込みを振り払え、炎上を恐れるな」。メンタルコントロールの極意49。(ポプラ社ウェブサイトより)

4位『陰謀の日本中世史』呉座勇一[著](KADOKAWA)

5位『素顔の西郷隆盛』磯田道史[著](新潮社)

6位『国体論 菊と星条旗』白井聡[著](集英社)

7位『日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』磯田道史[著](中央公論新社)

8位『逃げる力』百田尚樹[著](PHP研究所)

9位『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』吉田裕[著](中央公論新社)

10位『孤独のすすめ 人生後半の生き方』五木寛之[著](中央公論新社)

■新書 ノベルスランキング

1位『ONE PIECE novel A スペード海賊団結成篇(1)』尾田栄一郎[原作]ひなたしょう[著](集英社)

2位『京都感傷旅行』西村京太郎[著](文藝春秋)

3位『消滅世界(上)』大石英司[著](中央公論新社)

4位『僕のヒーローアカデミア(3) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

5位『戦艦大和航空隊 運命の開戦!』林譲治[著](経済界)

6位『悲終伝』西尾維新[著](講談社)

7位『僕のヒーローアカデミア(2) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

8位『僕のヒーローアカデミア(1) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

9位『物怪荘の思われびと』宇喜田紅[著](リブレ)

10位『東京喰種 トーキョーグール:re Novel [quest]』石田スイ[原作]十和田シン[著](集英社)

〈新書 ノンフィクション / 新書 ノベルス ランキング 4月21日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年4月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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