ダ・ヴィンチのBOOK OF THE YEAR 2018が発表 下町ロケットシリーズが1位に

文学賞・賞

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 12月6日(火)に発売された「ダ・ヴィンチ」(2019年1月号)の特集「BOOK OF THE YEAR 2018」で、小説ランキングのトップ50が発表された。

 第1位に選ばれたのは、池井戸潤さんの人気シリーズ第3弾『下町ロケット ゴースト』(小学館)。本作は、ロケットエンジン用のバルブシステムを開発する中小企業の佃製作所が、納入先である帝国重工の業績悪化によって再び危機に直面し、意外な部品の開発を決意する物語。今年10月から本作とシリーズ第4弾『下町ロケット ヤタガラス』を原作とするドラマが放送されている。シリーズ第1弾『下町ロケット』は、ロケットエンジンに使用されるバルブシステムの開発に着手し、倒産の危機を乗り越えるまでが描かれ、第2弾『下町ロケット2 ガウディ計画』では心臓手術に使用する人工心臓用のバルブ開発に取り組む内容となっている。

 そのほか、小説ランキングの2位に島本理生さんの『ファーストラヴ』(文藝春秋)、3位に湊かなえさんの『未来』(双葉者)がランクイン。他に、国内主要ミステリーランキングで3冠を獲得し、第18回本格ミステリ大賞も受賞している今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』(東京創元社)、小学館が主催する「12歳の文学賞」史上初3年連続で大賞を受賞している鈴木るりかさんの『さよなら、田中さん』(小学館)、大河ドラマで話題となった『西郷どん!』などがランクインしている。

 文庫部門では、ピアノの調律師を目指す青年を描いた宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(文藝春秋)が1位に選ばれた。宮下さんはエッセイ・ノンフィクション部門でも『とりあえずウミガメのスープを仕込もう』(小学館)が1位に選ばれ、W受賞を記念したインタビューが掲載されている。続く2位に東野圭吾さんの『ラプラスの魔女』(KADOKAWA)、3位に池井戸潤さんの『下町ロケット ガウディ計画』(小学館)がランクインしている。

 また、同誌には池井戸さんの受賞インタビューや今村昌弘さん、鈴木るりかさんのインタビューなどが掲載。「コミック」「エンタメ・実用書」「ビジネス・教養」などジャンル別のランキングや好きな作家、好きな出版社のランキングも発表している。

「ダ・ヴィンチ」の「BOOK OF THE YEAR」特集は今年で19回目。ランキングは、2017年10月1日から2018年9月30日までに刊行された作品を対象に、全国の書評家、書店員、ダ・ヴィンチアンケート会員、読書メーターユーザーなどの投票によって決定している。

Book Bang編集部
2018年12月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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