稲垣吾郎 番組終了が報じられた「ゴロウ・デラックス」で何を語ったか

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(45)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に8日、作家の吉本ばななさんが出演した。稲垣さんとの親交を明かしながら新刊に込めた思いを語った。

■ホラーなのに「どんぶり」?

 この日の課題図書は『吹上奇譚 第二話 どんぶり』(幻冬舎)。異世界へ通じる扉があり、屍人がうごめく不思議な街・吹上町を舞台にした「哲学ホラー」の第2作だ。デビュー作『キッチン』(KADOKAWA)から思い入れがあるという「どんぶり」のイメージが物語のなかで重要な役割を果たす。吉本さんは「どんぶりは包むような感じがするし、満たされるし、すごく温かい食べ物」と知り合いに気付かされたと語り、稲垣さんも「いのちを感じる食べ物ってことですね」と理解を示した。

■想像のプロセスは俳優も作家も同じ

 吉本さんは登場人物と向き合い、「この人ならそうする」と考えながら物語を綴っていくという。しかし吉本さんは以前書いた連作「王国」シリーズ(新潮社)では主人公と「気が合わなかった。ずっと辛かった」「なんでこんな事するんだろうと思っていた」という。そこで今度の連作では「自分寄り、意見の合いそうな」人たちにしようと考えて書いたという。そのアプローチを聞いた稲垣さんは「役を演じるのもいっしょ」「想像のプロセスは俳優と作家は近い」と共感をあらわしていた。

 また番組では吉本さんの仕事場にも潜入。吉本さんが執筆に「ポメラ」(デジタルメモ専用機)を使っていることを明かした。

■稲垣吾郎の直接オファー。

 稲垣さんと吉本さんは20年前に恵比寿のバーで出会っており、20年ぶりの再開の日に稲垣さんからの番組出演の直接オファーがあったことを明かした。稲垣さんの演劇を観劇した吉本さんが楽屋を訪れたところ、稲垣さんが「いきなり『出てくださいよ』」と直談判してきたという。そこから実際の出演に繋がり、貴重な創作現場にまで潜入できるのは、作家に信頼される稲垣さんと番組ならではのエピソードだ。

■ラジオでは何を語った?

 稲垣さんは8日「ゴロウ・デラックス」でアシスタントを務める外山惠理アナウンサーがパーソナリティーを務めるTBSラジオの番組「金曜たまむすび」に出演。外山アナは稲垣吾郎が主演する映画「半世界」(監督・阪本順治 2月15日公開)を「ゴロウさんが主演のデラックスな映画」と紹介。

 稲垣さんは映画で演じた「炭焼き職人」の役作りの苦労を語りながら、「ちょっと変わった人間だったりとか特殊な人物像を演じることが多かったので、今回自分の中で初めての役」と名もない「市井の人」を演じたのが新鮮な体験だったと語る。また「この年齢でこういう作品に出会えたのはこれからの自分の役者人生として本当に良かったな」と振り返った。さらに評価の高かった映画「十三人の刺客」で演じた狂気を孕んだ暴君役とも比べ、「あの時と同じぐらいの新しい自分という意味では手応えがある」と自信をあらわした。

 番組パートナーの玉袋筋太郎さんも映画では「小さな(リアルな)世界」が描かれていると絶賛し「吾郎さんの佇まいが本当に職人にみえちゃって」「今度は刀鍛冶職人を演じてほしい」と「長ドス」(刀)をプレゼント。これには稲垣さんも「かっこいいじゃないですか! 何ですかこれ!」と大興奮の様子だった。

「ゴロウ・デラックス」は5日、新聞各社によりこの春の番組終了が内定したと報じられた。良質な教養番組として評価が高い番組で惜しむ声が多数上がっており、「たまむすび」で2人が何を語るかに注目が集まっていた。しかし「(テレビで外山アナは)ボーっとしてる。外山さんのカンペを僕が読んだりしてる」と番組裏話は語られたが、番組終了について触れられることはなかった。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回は2月14日。「第160回芥川賞・直木賞受賞者が揃って登場SP!【前編】」。芥川賞を受賞した、上田岳弘さん、町屋良平さん、直木賞を受賞した真藤順丈さんが出演する。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2019年2月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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