子育てに正解はない。しかし、親として自分のやり方が合っているか心配になるのはどの世代でも共通の悩みだ。自分で考えたり、新しい発想ができたりする力や自分自身を肯定するための価値観は、幼児期に育まれるとされる。
自己肯定感や非認知能力など難しそうな言葉はわからないが、そうした幼児期の教育として母親たちが実践することの一つが子どもを褒めることだ。しかし、叱り方同様、褒め方も悩みのタネとなっている。
そうした褒め方に悩む母親のツイートが話題になっている。「子どものほめ方について。やっと納得した」とつぶやいたのは「ゴボ天@2歳(@gobo10go)」さん。ただいま2歳の子どもの子育て真っ最中の母親だ。
子どもの褒め方について。やっと納得した。
やっぱりテンション上がると「すごい!」とついつい言ってしまうので夫婦で意識して癖づけ練習してるとこ。 pic.twitter.com/L6gJX7FIhs— ゴボ天@2歳 (@gobo10go) 2019年5月15日
現在までに12万いいねを超える反響があり、コメントでも「とても素敵なほめ方!」「参考になりました!」「ただただ納得」という共感の声が多数寄せられている。それだけ、子どもの褒め方で悩んでいる人が多いということだろう。
このマンガの中で「ゴボ天@2歳」さんが“やっと納得した”として紹介しているのが、保育士の小竹めぐみさんと小笠原舞さんの著作『いい親よりも大切なこと』(新潮社)だ。本書では、子どもの褒め方について以下のようにアドバイスしている(同書より抜粋・参照)。
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- いい親よりも大切なこと
- 価格:1,320円(税込)
「すごい」「えらい」「うまい」だけに頼ってほめている人は、思いのほか多いのではないでしょうか。私たちはそれらの言葉だけでほめることを、あまりおすすめしていません。大人の何気ない「すごい」という発言を聞いて、大人の基準を子どもがそのまま取り入れてしまうことがあります。これは、よい面もありますが、危険性もあるのです。自分がすごいなら、それができない他の子はすごくない、という風に受け取る可能性もあるからです。
では、ほめたい時はどうしたらいいのでしょう。それは、とってもシンプルです。
子どもの言動や喜怒哀楽を、そっくりそのまま認めてあげること。そこに自分の評価を挟まずに、「目の前の事実」を言葉にするだけでいいのです。
子どもがとても真剣に描いた絵があったとしましょう。
「ほめたい!」と感じたら、「雲を大きく描いたね!」「ずいぶん細かく描いてるね!」「このお花の色、ママ大好き!」と伝えてみる。子どもは「そうでしょ?」と言わんばかりに笑顔になると思います。大人も同じですが、大雑把に「すごい!」とだけ言われるよりも、それだけで、もう十分彼らは満足するのです。
「ほめる」は、「認める」ということ。小さな頃からのひとつひとつの“認める”の積み重ねが、その子らしさをつくっていくのです。
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子育てしている親なら誰しも、「褒める」「叱る」という行為はごくごく身近なものだろう。しかし、「褒めて育てよう」「褒めないと自己肯定感の低い子どもになる」という意見から、「子どもを褒めすぎてはいけない」「きちんと叱らないから心の弱い子どもになる」という意見まで、両極端だ。どちらにも納得できるところがあるからこそ、親はどうすればいいか悩んでしまう。初めての子育てなら、なおさらだ。
褒め方に悩んだとき、「目の前の事実だけを言葉にすること」を意識してみてはどうだろうか。
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1896年(明治29年)創立。『斜陽』(太宰治)や『金閣寺』(三島由紀夫)、『さくらえび』(さくらももこ)、『1Q84』(村上春樹)、近年では『大家さんと僕』(矢部太郎)などのベストセラー作品を刊行している総合出版社。「新潮文庫の100冊」でお馴染みの新潮文庫や新潮新書、新潮クレスト・ブックス、とんぼの本などを刊行しているほか、「新潮」「芸術新潮」「週刊新潮」「ENGINE」「nicola」「月刊コミックバンチ」などの雑誌も手掛けている。
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