第27回萩原朔太郎賞が決定 和合亮一さんの詩集『QQQ』が受賞

文学賞・賞

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 第27回萩原朔太郎賞が5日に発表され、和合亮一さんの詩集『QQQ』(思潮社)に決まった。

 受賞作『QQQ』は、東日本大震災後、ツイッターで発表した『詩の礫』が大きな反響を呼んだ和合亮一が、原発事故後の福島で生きる人々が抱える答えの出ない問いを綴った現代詩。

 著者の和合亮一さんは、1968年福島県生まれ。現在も福島市に暮らし、高校の国語教師の傍ら、詩人として活動する。1999年に第1詩集『AFTER』で中原中也賞を受賞。2006年に第4詩集『地球頭脳詩篇』で晩翠賞を受賞する。2011年3月11日東日本大震災直後から自宅からツイッターで「詩の礫」と題した詩を発信し、大きな反響を呼ぶ。著書に『詩の礫』『詩の邂逅』『詩ノ黙礼』などがる。

 受賞作の発表と選評は、文芸誌「新潮」(11月号)に掲載される予定。なお、贈呈式は10月27日に前橋文学館で行われる。

「萩原朔太郎賞」は、現代詩を対象とし、最も清新で独創的、かつ完成度の高い作品に与えられる文学賞。同賞は、前橋市が市制施行100周年を記念し、同市出身で日本近代詩に大きな足跡を残した萩原朔太郎の業績を永く顕彰し、日本文化の発展に寄与するとともに、市民文化の向上に資することを目的として1993年に制定される。第27回の選考委員は、佐々木幹郎、建畠晢、松浦寿輝、三浦雅士、吉増剛造の5氏が審査を務めた。

Book Bang編集部
2019年9月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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