天才バカボンから宮本輝まで『DEATH STRANDING』へ繋がるゲームクリエイター・小島秀夫の創作の根幹とは

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< 本を読むことや、映画を観ることは、疑似体験ではあるが、立派な“体験”だ。
 (中略)
 行くことのできない過去や未来、遠い世界を体験できるし、自分と違う民族やジェンダーにもなれる。本は一人で読むものだが、そこで繰り広げられている物語を多くの見知らぬ人と共有できる。
 孤独だが、繋がっている。
 (中略)
 だから僕は毎日、本屋に通う。
 出会いを創るために、通い続けるのだ。>
(小島秀夫『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』より)

 ゲームファンなら誰もが知っている天才ゲームクリエイター・小島秀夫。もし彼の名前自体を知らなかったとしても、『メタルギア』『メタルギア ソリッド』のシリーズタイトルにピンと来る人は多いはず。このシリーズの立ち上げが、コナミ入社二年目の仕事だというから、恐れ入る。

 11月8日に会社独立後最初のゲーム作品となる『DEATH STRANDING』が発売されたが、そんな彼の旺盛かつ独創的な創作力は一体どこから湧き上がっているのか…。

 冒頭に引用した小島のエッセイ『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』を紐解いてみると、彼がどれだけ本を愛し、毎日本屋に通うことを日課としてきたかということを思い知らされる。

 SF愛好家ということもあってジェイムス・P・ホーガン『星を継ぐもの』はなるほど納得だが、それと同様の熱量で、宮本輝『錦繍』、クレヨンしんちゃん、天才バカボンについての愛を語る小島の読書に対するジャンル幅の広さに驚かされるに違いない。

 朝井リョウ『星やどりの声』の項では自身の父との別れについて、吉田秋生『海街diary』の項では神奈川で暮らした日々の思い出について。作品への情熱を語りながら見えてくるのは小島秀夫氏の過去であり、その当時何を観て何を感じたかという精神の軌跡そのものと言えるのかもしれない。

 詳しい内容は本書に譲るが、天才が読んで感じた風景の追体験が可能と言える本書の「はじめに」を日本語版、そして海外のファンに向けて特別に英語版で、お届けする。

2019年11月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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