書店員もミステリ作家も評論家も絶賛! 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

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 2月18日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『熱源』が獲得した。
 第2位は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。第3位は『ライオンのおやつ』となった。

 2位の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は年末恒例の「このミステリーがすごい!」2020年版で国内1位を受賞した作品。また4月に発表予定の2020年本屋大賞にもノミネートされている。死者の声が聞こえるという美女と推理作家のコンビが霊感と論理的思考で事件を解決してゆく連作もの。特殊な設定に興味を惹かれるが、最後にはさらなるひねりが待ち受けており、帯にある「すべてが、伏線」という言葉を思い知ることとなる。

 文芸評論家の円堂都司昭さんは《推理小説は、合理的な内容であるべき》だが、《超常現象がどのようなルールで起きているかを作中で示し、合理的な推理小説として成立させる手法もある》と解説。さらに本作の魅力は《こで作者はさらなるひねりを加えており、よくぞ仕組んだものだと思う。この驚きこそ魔法のようだ。》と絶賛している。また同作の特設サイトには綾辻行人さんや有栖川有栖さんら多くのミステリ作家や書店員からの推薦の言葉が並んでいる。
https://www.bookbang.jp/review/article/591343

1位『熱源』川越宗一[著](文藝春秋)

樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。 一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。 日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。 文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。 樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。 金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼[著](講談社)

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。(講談社ウェブサイトより)

3位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。(ポプラ社ウェブサイトより)

4位『背高泡立草』古川真人[著](集英社)

5位『聖女の魔力は万能です(5)』橘由華[著](KADOKAWA)

6位『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人[著](双葉社)

7位『清明 隠蔽捜査(8)』今野敏[著](新潮社)

8位『店長がバカすぎて』早見和真[著](角川春樹事務所)

9位『無敵の万能要塞で快適スローライフをおくります フォートレス・ライフ』鈴木竜一[著](KADOKAWA)

10位『イマジン?』有川ひろ[著](幻冬舎)

〈単行本 文芸書ランキング 2月18日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年2月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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